非鉄金属業界の「これだけは押さえておくべき」最低限の知識│就活研究記事
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2020年03月09日更新
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非鉄金属業界の「これだけは押さえておくべき」最低限の知識│就活研究記事

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理系の就活生に人気が高い非鉄金属業界。研究開発などの技術職は理系ですが、総合職は文系理系を問わずに採用されているのが一般的です。最近は、女性の採用にも積極的に取り組んでいる企業が増えているようです。

今回は、そんな非鉄金属業界に興味を持つ就活生の皆さんに、非鉄金属業界の歴史から、業界概要、市場規模、最近の動向のほか、気になる年収や非鉄金属業界に向く人物像などを紹介します。


現代の資源事業に受け継がれる非鉄金属業界の歴史



はじめに、日本の全上場企業のなかで2番目に古い歴史を持つという住友金属鉱山の歴史をもとに、日本の非鉄金属業界の歴史を見ていきます。


銅鉱石の中に含まれる銀を抜き出す技術がなかったかつての日本で、住友財閥創業者一族の1人、業祖・蘇我理右衛門が銅と銀を分離する「南蛮吹き」と呼ばれる製錬技術の開発に成功し、1590年、銅製錬事業が開始されました。

1691年に銅鉱山である別子銅山が開鉱。ここから300年以上受け継がれる鉱山技術が生まれ、住友の発展に大きく貢献しました。この開坑が機となり、住友の事業は銅の製錬事業に加え資源事業へと広がっていったのです。

江戸時代、銅は国際商品として国内生産高の約半分の量が長崎貿易により輸出されていましたが、明治時代以降は通信線や電灯電線、伸銅品の需要の増大などにより、銅の内需が大幅に増加しました。


戦後は国内鉱山の閉山により海外から原料を調達し、製錬する方式へとシフト。住友は1961年にベスレヘム(米ペンシルベニア州)への投融資買鉱契約を締結し、海外鉱山へ参画し始めました。

1979年、佐々連鉱山の閉山により引き継がれてきた鉱山技術の幕が閉じましたが、1985年に菱刈鉱山が操業を開始。現在まで豊富な金含有率を誇り、住友における収益の柱となるとともに、鉱山技術を継承する役割も担っています。


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大企業が優位性を持つ典型的な装置型産業



「非鉄金属」とは、鉄を除く⾦属素材として定義されており、アルミニウム、銅、鉛といったベースメタルなど多様な⾦属を含みます。例えば、アルミニウムは、アルミ缶、自動車の車体など、銅は10円玉など、亜鉛は乾電池などと、社会のあらゆる場⾯で使⽤されています。

非鉄金属業界は川の流れに例えられ、資源開発(川上)→金属製錬(川中)→電材加工・環境リサイクル(川下)の3つの領域に分けられます。

また、非鉄金属の中でも、特に大量に消費される金属であり、消費者ニーズが多様化しているアルミニウムと銅製品は大手を中心に扱われています。というのも、大量生産のビジネスモデルは大型機械の設備投資が必要としているから。大手は川中から川下まで幅広く手がけるとともに、川上の鉱山進出にも積極的です。


強みとなっている金属素材ごとに主な企業を紹介します。

銅: JXTGホールディングス(金属事業)、 三菱マテリアル住友金属鉱山など

亜鉛: 三井金属鉱業東邦亜鉛DOWAホールディングスなど

アルミニウム: UACJ日本軽金属ホールディングス神戸製鋼昭和電工など

ニッケル: 大平洋金属日本冶金工業住友金属鉱山JXTGホールディングス(金属事業)など


また、非鉄金属企業の主要な収入源は、「製錬マージン」という特徴があります。これは、鉱山から採鉱された鉱石を地金に加工する手数料のようなもの。

なお、日系企業は鉱石のほとんどを輸入に頼っているため、鉱山を持つ資源メジャー(資源の採掘や精製、製品化などの権益を押さえている世界的巨大企業)主導で価格が決定される傾向にあります。


投資や海外展開を活発化させる非鉄金属業界



⾮鉄⾦属産業は⽇本の産業を⽀える重要な位置を占める⼀⽅で、ユーザーニーズの⾼度化と多様化、海外事業者のキャッチアップ、エネルギーコストの上昇等を始めとする事業環境制約など、⼤きな環境の変化に直⾯しています。

そのような状況の中、日本企業による非鉄金属資源への投資が活発化しているといいます。住友金属鉱山のケブラダ・ブランカ銅鉱山、三菱商事のケジャベコ銅鉱山、住友商事のヤナコチャ金鉱山など、大型プロジェクトへの新規参画、出資拡大が続きました。

また、その投資方法も拡大一辺倒ではなく、権益の売却を並行し、優良資産を厳選しながら資産構成を最適化する流れにあるそう。


とは言え、開発が容易な鉱山は既に開発しつくされていることもあり、非鉄金属メーカーでは金属スクラップや電子スクラップから希少金属を回収するリサイクル事業に注力する企業も増えています。

一方で、非鉄金属業界の中でも電線業界大手は海外展開を活発化させています。住友電気工業はドイツのシーメンスと都市間をつなぐ大規模送電システムで提携するなど、欧州・アジアの開拓を進めているほか、通信用光ファイバーに強みを持つ古河電気工業は北米やアジア、インドで事業を展開しています。


市場規模は13兆8,054億円。自動車アルミ化に伴う需要増加で、「アルミ圧延品」が微増傾向に

業界動向サーチによると、2019年非鉄金属業界の市場規模は13兆8,054億円となっています。

また、みずほ銀行の調査では、2018年の「銅電線(どうでんせん)」出荷数量が692千トンで前年比0.2%増を見込んだのに対し、2023年には657千トンと、2018年水準から年率1.0%の減少を予想しています。

電気機械向けや電力向けのトレンドは変わらないものの、人口減少にともない、建設・電販向けや自動車向けが減少。銅電線出荷は2018年でピークアウトするとみています。


■「銅電線」需要分野別出荷動向と予測

(出典: みずほ銀行 日本産業の中期見通し(非鉄金属)

また、2018年の「伸銅品(しんどうひん)」出荷数量は831千トンと、前年比1.1%の増加を見込んでおり、なかでも、車載用コネクタや半導体用途が好調なことから、2023年の出荷数量は854千トンと、2018年以降は年率0.5%の増加を予想。増加基調を持続するとみています。


■伸銅品需要分野別出荷動向と予測

(出典: みずほ銀行 日本産業の中期見通し(非鉄金属)

最後に、2018年の「アルミ圧延品」出荷数量は2,047千トンと、前年比1.0%の減少を見 込んでいましたが、2023年は2,083千トンと、2018年以降は年率0.4%の増加を予想。

特に自動車向けについて、国内生産台数減少を1台あたりのアルミ使用量の拡大で打ち返すなど、プラス成長を維持することから全体としては微増となるようです。


■アルミ圧延品需要分野別出荷動向と予測

(出典: みずほ銀行 日本産業の中期見通し(非鉄金属)


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日系企業が世界で存在感を見出すための課題



非鉄金属業界の中でも「アルミ圧延業界」は、軽量化を進める各自動車メーカー向けに質の高い製品の需要が本格的に拡大していくという過渡期にあり、こうした製品を作る技術を持つ限られた先進国企業には大きな成長の機会が訪れています。

日系アルミ圧延企業の中でも、特に UACJ は世界3位クラスの生産能力を獲得しており、グローバル戦略を進める上で必要な経営資源を一定程度有しています。今後は日本を代表するアルミニウムメジャー企業として、国内市場を牽引するのはもちろん、グローバル市場における存在感を高めることが期待されています。

また、日系アルミ圧延企業は日系自動車メーカーとの関わりも深いことから、グローバルにおける存在感を高めていくことが比較的容易なポジションにあると言われています。

最大のリスクは、中国アルミ圧延企業による自動車材に対する技術的なキャッチアップ。そのリスクに対応していくためにも、グローバルデリバリー(世界各地のサービス提供網)体制の構築を急ぎ、シェアを高め、参入障壁を築いていくことが求められています。


非鉄金属業界の仕事。向いているのはこんな人

非鉄金属業界でも、それぞれの企業によって得意な分野があるため、募集職種が変わってきます。主な職種として大手の職種事例を紹介しましょう。

まず、技術系総合職ですが、企業が製造・販売する広範な材料・部材の研究・開発から試作、量産に至るまでの技術全般を担当。現場や現物をよく観察・調査し、モノと現象の本質を捉える眼を持った人が向いている職種です。

また、事務系総合職は、金属事業、環境リサイクル事業、電材加工事業などの営業職や、各事業部を横断的に関わる物流を担当する場合もあります。

非鉄金属業界では多くの工業用製品と関わるため、社会のニーズやその変化に触れることができます。また、原料調達が世界の各地から行われ行われることから、世界の景気や政治・経済の動向にも敏感になり、社会が変わりゆくさまを自社の製品を通して実感することができます。

そんな非鉄金属業界は、チャレンジ精神をもって課題に取り組み、周囲を巻き込みながら、自らが原動力となり変革を起こせるような気概を持つ人に向いている業界と言えるでしょう。


非鉄金属業界の年収ランキング。トップはJXTGホールディングス

続いて、気になる非鉄金属業界の平均年収をランキングで見てみましょう。


■非鉄金属業界平均年収ランキング


(出典: 非鉄金属業界 平均年収ランキング(2018-2019年)-業界動向サーチ

トップはJXTGホールディングスで1,204万円。第2位に約200万円の差をつけていますが、日本軽金属ホールディングスも1,000万円越えとなっており、かなりの高水準であることがうかがえます。

しかしながら、一般的に「ホールディングス」は大卒や総合職のみという社員構成になっているため高収入になる傾向にあります。

また、同業界の平均年収は642万円です。トップ10に入っている企業のいくつかは旧財閥系であることから、比較的高収入であると言えるでしょう。基本給では大差なく、ボーナス額によってランキングが上下に変動しているようです。


知っておきたい非鉄金属業界の用語5選



非鉄金属業界には専門的な素材や製法の言葉が多く存在します。関わる事業内容によっても大きく異なりますが、同業界に属する採用ホームページでよく見る5つの言葉をピックアップしてみました。以下で解説していきます。


製錬(せいれん)
鉱石、その他の原料から含有金属を分離・抽出して精製し、金属または合金を作る工程。製錬によって取り出された金属は純度が低い場合が多く、純度を高めるために精錬が必要な場合があります。 また、ここまでのプロセスを冶金(やきん)と表現することもあります。


LME
London Metal Exchange(ロンドン金属取引所)の頭文字をとった言葉。銅、鉛、亜鉛、ニッケル、錫、アルミニウムなど、非鉄金属中心の取引所で、国際取引の指標となっています。


TC/RC
TC:Treatment Charge (溶錬費:金属を溶かしだす費用) 、RC:Refining Charge (精錬費:金属を精製する費用)の略。

製錬会社はロンドン金属取引所(LME)で取引されている地金の価格から、TCとRCの合計を引いた金額を鉱山会社に鉱石代金として支払います。

TCとRCの合計が高ければ製錬会社の利益が増え、反対にTCとRCが低ければ鉱山会社の利益が増える仕組みに。


レアアース
希土類元素(きどるいげんそ)のこと。周期表のスカンジウム、イットリウム、ランタンからルテチウムまでの17元素からなるグループの総称。

また、希土類とは、比較的希な鉱物から得られた酸化物から分離されたことに由来しているとのこと。


自山鉱比率
原料調達の内、自ら投資した鉱山からの鉱石の比率を指します。


スタートアップ企業との新規事業創出を目指す非鉄金属業界の企業



JX金属は新規事業の創出を目指し、フランスのAgorize社と共同でアクセラレータープログラム(協業や出資を目的として、企業がスタートアップ企業からコンテスト 形式でアイデアや提案を募集するプログラム)「Innovation challenge for the Next Generation」を実施。

「非鉄金属に関するイノベーション」をキーワードに、先端素材、高機能・多機能材料、リサイクル技術を中心に、資源開発、製錬も含めた非鉄金属に関する幅広い領域で、新規事業のアイデアをスタートアップ企業から募集し、事業化を目指そうとするものです。

Agorize 社が豊富なネットワークを持つ欧州を中心に、世界中のスタートアップ企業から革新的なアイデアの提案が期待されています。


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非鉄金属業界に興味があるなら必ずおさえておきたいインターン情報

最後に、JXTGエネルギー、日本軽金属、DOWAホールディングス、住友金属鉱山、住友電気工業といった、就活生に人気が高い非鉄金属業界の

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