野村ホールディングスの企業研究

今回ご紹介するのは、証券業界にて首位を独走する野村ホールディングス。

この記事を読んでいる方の中には、野村ホールディングスへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

(1)会社概要　(2)「企業」を知る　(3)「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、野村ホールディングスの経営理念や同じ証券業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある証券会社の中で、なぜ野村ホールディングスなのか？」という質問への対策を考えましょう。

野村ホールディングスについて深く知るために、まずは野村ホールディングスの経営理念を確認しましょう。そこから野村ホールディングスが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

野村ホールディングスの「ミッション・ステートメント」は、以下の通り。
1.「投資」を軸に豊かな社会の創造に貢献する
2.変化を尊重し、常識を打破して、成長への挑戦を続ける
3.「顧客ありき」を貫き、常に顧客の揺るぎない信頼を獲得し続ける
4.「野村は一つ」の意識を持って連携し、野村グループの総合力を発揮する
5.多様性とお互いを認め合う精神を尊重する
（野村ホールディングス「ミッション・ステートメント」より引用）

ここからわかるポイントは、社会の発展に貢献するという「創業の精神」を守り続けていくという志です。この実現に向け、商品やサービスを通じて適切な資金循環を促し、経済の成長とともに社会の持続的な発展に貢献することを目指しています。
そのため、野村ホールディングスの社員に求められるのは、「顧客のニーズにあったビジネスを追求し、付加価値を創造する」「世の中の変化する期待に応えるビジネスに挑戦し、マーケットメカニズムに根ざした解決策を提供する」「次世代を見据えた社会の持続可能性に貢献する」の3点です。グループ全体で「多様性」が重視されており、そこから生まれる様々な価値観を最大限に活用できる人材が求められています。

ですから、企業理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
・野村ホールディングスの理念への共感
・既存の状況に満足せず、新たな領域を切り拓いた経験
・世の中や社会の課題を自ら考え、解決するために主体的に活動した経験
・次世代を見据えた社会の持続可能性のために活かせる、あなたの個性やスキル


次に、証券業界における野村ホールディングスと競合会社とを比較してみましょう。
今回は、野村ホールディングスとともに国内証券2強と言われる、大和証券グループ本社と比較していきます。

まず、財務状況を見ていきましょう。
それぞれの平成28年3月期連結決算から比較していきます。
野村ホールディングスの収益は1,723,096百万円（前年比10.7％減）、純利益は165,158百万円（前年比52.4％減）と減収減益を記録していますが、国内では業界首位を独走。平成25～26年のシェアは47％と、2位以下を大きく引き離しています。
そして、その2位につける大和証券グループ本社の業界シェアは16.5％。収益は653,711百万円（前年比0.9％減）、営業利益は150,297百万円（前年比12.0％減）となっており、野村ホールディングスの規模の大きさが際立ちます。

続いて事業内容を見ていきましょう。
両社とも持ち株会社です。
野村ホールディングスは、国内最大手の独立系証券会社として、営業、アセット・マネジメント、ホールセールの3部門を連携させたサービスを提供しています。国内最大である資産残高は100.6兆円にのぼり、多様化が重視された役職員は、世界30カ国以上の拠点に28,865名。充実したグローバルネットワークと強固な財務基盤を強みに、国内ではストック収入重視の営業に舵を切っています。今後は、全地域・全部門における黒字化を最重点課題に掲げ、海外でも収益性の改善強化を図っています。
対する大和証券グループ本社は三井住友銀行と提携しており、リテール、ホールセール、アセット・マネジメント、投資等から構成されています。現在、海外拠点においては業務見直しを、国内においては店舗増強を図り、野村ホールディングスと同様、国内のリテール事業強化により強固な基盤を構築しようとしていることがわかります。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成25年から26年の証券業界の業界規模は、3兆9,006億円。
平成20年秋のリーマンショックにより大打撃を受けた証券業界でしたが、平成23年頃から上昇に転じ、平成24年にはリーマンショック前の水準に回復しています。
昨今の証券業界は外資系を含む大型再編が行われており、野村ホールディングスは破綻したリーマンブラザーズのアジア・欧州事業を買収し、海外事業への足がかりを構築。さらに、三菱UFJ証券とモルガンスタンレー日本法人の統合で三菱UFJモルガンスタンレー証券が発足し、メガバンクの存在も高まっています。このような買収や銀行資本の系列化により、証券業界は新たな時代を迎えています。

ここまで野村ホールディングスについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょ�