アクセルの企業研究

今回ご紹介するのは、パチンコ・パチスロ機向けグラフィックスLSIで国内シェア約50％超えを誇る、研究開発型ファブレスメーカーで有名な、アクセルです。

この記事を読んでいる方の中には、アクセルへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、アクセルの経営理念や同じ電気機器業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある電気機器会社の中で、なぜアクセルなのか？」という質問への対策を考えましょう。

アクセルについて深く知るために、まずはアクセルの経営理念を確認しましょう。そこからアクセルが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

アクセルの企業理念は、以下の通り。
1.最先端のLSI設計技術を生かし、グラフィックス及びサウンド関連の製品化を事業の核とする革新的な研究開発型半導体メーカーであり、以下の事項を確保していく
　（1）高度な専門知識を持つ精鋭頭脳集団であること
　（2）独自の新技術、新製品を創造すること
　（3）工場を持たないファブレス企業であること
2．企業集団として、株主、従業員、顧客、取引先等全ての利害関係者を配慮したガバナンス体制を確立する
3．法令・定款・規則を遵守し、また、適時、適切な情報の開示を行う
4．情報管理に十分配慮した上で、オープンで自由な企業風土を維持し、業務拡大を目指すとともに業容に即した社会貢献を行う
（AXELL | 会社案内 | コーポレートガバナンスより引用）

ここから分かるポイントは、「プロフェッショナル」「顧客第一主義」「社会貢献」の3点。
アクセルの社員として、組み込み機器における高解像度・高精細なグラフィックスを実現することで、ニーズを充足するLSI（半導体）製品等の研究開発を推進するとともに、最終製品を効率的に開発することを可能とする充実したサポート体制の構築にも注力し、組み込み機器の技術的進化に貢献しようという志です。アクセルは、このような大きなビジョンを持った人材を求めているのです。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。
・アクセルの企業理念への共感や、プロとしてアクセルを通して成し遂げたいこと
・リーダーシップを発揮して、チームで何かを成し遂げた経験
・世の中のニーズから課題を見出し、新たな領域を切り拓いた経験


次に、電気機器業界におけるアクセルと競合会社と比較してみましょう。
今回は、売上高の規模が近い、ケルと比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。
はじめに事業内容を見ていきましょう。
アクセルは、研究開発型のファブレス半導体メーカーであり、研究開発とマーケティング活動に特化したビジネスを展開。同社の主力市場はパチンコ・パチスロ機市場で、グラフィックスLSI（機能統合化製品を含む）を中核製品とし、LEDドライバLSI、メモリモジュール等の各種製品を販売しています。
一方、組み込み機器市場に向けては、FA機器や医療機器、大型建設機器等に搭載される液晶表示装置等に向けたグラフィックス LSIを販売。
さらに、パソコン・スマートフォンのブラウザで再生可能なソフトウェアムービーコーデック「H2MD」等のソフトウェアIP製品の開発・販売も行っています。
現在、同社売上高の95％超を占めるのがパチンコ・パチスロ機向けの製品となっており、パチンコ・パチスロ機市場の動向は業績に多大な影響を与えています。今後は、同市場での着実な収益を確保するとともに、これまで培ってきた技術・ノウハウを活用し、収益性・成長性の見込める新たな事業に参入していくとのこと。
現在、取り組んでいるのが、医療機器や産業用機器等の組み込み機器に向けたグラフィックス LSIに加え、「H2MD」等のソフトウェアIP製品の販売拡大。さらに、M&Aやアライアンス等、新たな事業領域への参入を積極的に推進しています。

対する、ケルは産業用コネクタ総合メーカーです。電子機器向けコネクタ、ラック、ソケット等の開発・製造を主軸に展開。国内外の大手で電機メーカーを主な取引先としており、産業機器分野がメインマーケットで、パソコン、高度医療機器などの電子応用機器をはじめ、工作機器、無線通信機器、画像機器、自動車ン関連、そして、パチンコ、パチスロ等の遊戯機器を扱っています。
同社の受注高に占める新製品比率は30％を超えており、また、同社技術者の業務目標の1つとして特許出願を掲げていますが、研究開発を重視し、市場のニーズを先取りする開発力が伺えます。
同社のもうひとつの特徴は、プレス、メッキなどの部材の一次加工から、組立、検査まで一貫生産体制を自社に擁し、製造に関わる技術を全て保有していること。国内コア工場で、生産技術力を結集し、ノウハウを蓄積していることで高品質を保証しているとともに、多品種少量生産・短期納期も可能にしています。
次に財務状況を見てみましょう。
平成28年3月期の売上高は、アクセルが89億8,200万円であるのに対し、ケルは連結92億1,592万円。一方で営業利益は、アクセルが2億2,400万円のところ、ケルは連結7億8,900万円となっています。
アクセルの主たるビジネスフィールドであるパチンコ・パチスロ機市場は、市場の縮小傾向に加え、パチンコ・パチスロ機構成部材のリユースによる需要縮小の影響を受けるなど、厳しい市場環境が続いていますが、アクセルはシステムビジネスへの展開などにより、中長期的な成長を実現させるべき取り組みを行っており、平成31年3月期の目標として、売上高180億円の達成を掲げています。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
アクセルの主力であるパチンコ・パチスロ機市場は、一定の稼働が見込める一部の有力機種の販売は堅調に推移しているものの、遊技ホールの新台導入に対する慎重な姿勢は続いており、全体的には低調にあると言えるでしょう。
しかしながら同市場は、アクセルの製品をはじめ、電子部品の需要が旺盛な巨大な市場であることに加え、アクセルにおいても事業化が可能な未参入領域も多く残されてお り、今後も半導体需要の中核をなす市場であると見られています。

ここまでアクセルについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 しかし�