いちごの企業研究

今回ご紹介するのは、J-REITの運用をはじめとした「アセットマネジメント事業」、既存ストックの最有効活用を目指す「心築事業」、メガソーラー等の「クリーンエネルギー事業」のグループ展開で有名な、いちごです。

この記事を読んでいる方の中には、いちご への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、いちごの経営理念や同じ不動産金融業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある不動産金融会社の中で、なぜいちごなのか？」という質問への対策を考えましょう。

いちごについて深く知るために、まずはいちごの経営理念を確認しましょう。そこからいちごが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

いちごの企業理念は、以下の通り。
日本を世界一豊かに。
その未来へ心を尽くす一期一会の「いちご」
（いちご経営理念ページより引用）

社名の「いちご」とは、千利休の高弟であった山上宗二が説いた茶人の心構えである「一期一会」に由来しています。ここから分かるポイントは、日本社会の一員として、国民のために果たすべき役割を経営理念として定め、「一期一会」の心得のもと、この実現を最大の目標とする。 そして、資産管理や資産運用のニーズに対するソリューションを提供し、豊かな未来のために貢献しようという志です。 そのため、いちごでは、特に「プロフェッショナル」「ベンチャースピリット＆ダイバーシティ」「チームワーク」を重んじています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
・いちごを通して成し遂げたい社会貢献
・豊かな未来づくりのために活かせる、あなたの個性や経験
・既存の状況に満足せず、自ら課題を見出し、革新的な領域にチャレンジした経験
・チームメンバーの多様性を活かして、何かを成し遂げた経験


次に、不動産金融業界におけるいちごと競合会社と比較してみましょう。
今回は、いちご同様、不動産流動化を手がけているエー・ディー・ワークスと比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

はじめに事業内容を見ていきましょう。
いちごは、不動産流動化の先駆者として知られており、同社の信条「心で築く、心を築く」のもと既存不動産に新しい価値を創造する「心築」（しんちく） 機能を軸とした事業モデルを展開しており、J-REITの運用をはじめとした「アセットマネジメント事業」、不動産技術およびノウハウを最大限に活かすことで資産価値の向上を図る「心築事業」、太陽光発電を中心とする「クリーンエネルギー事業」を行っています。創立15周年に当たる平成27年に東証一部上場。
同グループは次の成長戦略の指針となる新中期経営計画「Power Up 2019」を策定。「本業のさらなる強化と深化による強力な収益基盤の構築」「新規事業の創出」「財務基盤の強化」「高い資本効率と内部成長率の実現」「グローバルベストプラクティスに適応した、ガバナンス・コンプライアンス態勢の継続的強化」、そして「働きがいの向上」を挙げており、その中では、健康経営の推進と「日本一チャンスあふれる会社」を目指して取り組んでいくことが表されています。
対するエー・ディー・ワークスグループの事業は、個人富裕層向け不動産投資や経営のためのソリューションに特化。「収益不動産販売事業」では、資産価値の再生・創造をコンセプトに物件の取得からバリューアップ、販売を手掛けています。一方「ストック型フィービジネス」では、プロパティ・マネジメントをはじめ、多角的なアセット・コンサルティングによって個人富裕層のニーズに応えるなど、顧客が起点のワンストップ・ソリューションによる独自のビジネスモデルを展開しています。
このような事業を営む中、今後、対処すべき課題については収益構造の転換を挙げており、同社の収益不動産販売に依存する収益モデルは市況に影響を受けやすく、収益基盤の安定化を実現することが最重要課題と位置付けています。

次に、財務状況を見ていきましょう。
平成28年2月期の売上高は、いちごが連結496億9,900万円であるのに対し、エー・ディー・ワークスの売上高は連結153億3,300万円。一方で営業利益は、いちごが連結154億1,700万円のところ、エー・ディー・ワークスの売上高は連結8億6,700万円で、売上高、営業利益ともにいちごが大きく上回る結果となっています。
この背景には、例えばいちごのアセットマネジメントのセグメントで、私募ファンドの物件売却にかかるフィー収入、同社グループが運用するリートにおけるスポンサーサポートによる物件取得フィー、運用資産残高の増加によるフィー収入の増収等が挙げられており、全体として売上高は前期比16.4％増、営業利益は同91.2％増で増収増益となっています。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
いちごグループが属する不動産業界は、テナントの増床や規模拡大を伴う移転需要を背景に、東京や地方の主要都市においてオフィスビル空室率が改善され、緩やかに賃料が上昇傾向にあります。
一方でJ-REIT市場は、オフィス物件取得は前年を下回ったものの、今後の成長が期待できるホテルは活発に取引され、また、社会的ニーズの高まいヘルスケア施設に特化したJ-REITが新規上場するなど多様化が見られています。
また、クリーンエネルギー事業においては、経済産業省による太陽光発電の固定買取価格制度の変更で、売電開始済みの案件や、同省の認定を取得し稼働可能と判断できる未着工案件の売買動向に注目が集まっています。

��ちごは基本的には経験者を対象とした中途採用がメインとなっており、新卒採用を行っていないようです。そのため、選考フロー、ES、面接の情報�