事務職（法務・特許・審査） 業界の概要・職種・魅力・動向 | 業界研究記事

今回ご紹介する職種は、事務職（法務・特許・審査）です。

法律のスペシャリストとして、企業における法律・権利に関する要件を扱うのが法務・特許・審査です。
企業が取り交わす契約書の内容確認・精査、公式文書の書式における法的問題点のチェック、債権回収業務、各種権利関係の管理、訴訟など法的紛争に関する業務など、企業活動における法的要件全般に、顧問弁護士と連携を取りながら対応していくほか、セクハラや労働条件など社内の法律問題も担当します。
法務・特許・審査は管理部門に該当しますが、管理部門はマイナビ2015年卒就職意識調査で、文系女子の志望職種で第1位の23.3%、文系男子でも第2位の20.8%と、男女ともに文系学生に特に人気の職種です。

この記事では、事務職の中でも特に「法務・特許・審査」に着目し、以下の3つの角度から職種理解を深めていきます。

• 業務内容
• やりがい
• 求められるスキル

この項目では、事務職（法務・特許・審査）の業務内容を解説していきます。

• 【業務内容】
  法的観点から、法務がコミットすべき側面は大きく分けて二つあります。ひとつは、企業が営利活動を行うに当たって自らが法律違反を犯すことのないよう、方策を練ること。もうひとつは、第三者によって自社の権利が法的に侵害されるのを防ぎ、万が一侵害されてしまった場合に備えることです。
  
  企業が活動する上で遵守すべき法律は、独占禁止法やPL法、著作権法、会社法に労働法、民法に至るまで多数存在しますが、それらに抵触することの無いように、弁護士と密に連携を取りながら法律面の様々な策定や、法的リスク軽減のための社内啓発なども行います。
  
  また、自社開発の新製品・新技術の特許申請や、商標権・特許権に代表される知的所有権を守り、万が一それらが侵害された場合は訴訟業務を担当するなど、企業の特許・権利に特化した業務を担当する部門を「特許」、企業が対外的に交わす膨大な数の契約において、法的に問題がないかをチェックする商法のスペシャリストを「審査」とし、部門ごとに業務分担している場合もあります。
  
  いずれの部門も法律を扱う業務に従事するため、法律を専攻していた人は当然ながら有利ですが、必須条件ではありません。
  難解な法的文書を正しく理解する読解力と、膨大な情報・知識を整頓し明確に相手に伝えられるコミュニケーション能力、論理的欠陥のない法的文書を分かりやすく文章化できる文章力などに長けている人には向いています。

事務職（法務・特許・審査）で働く人々が感じているやりがいには、次のようなものがあります。

• 企業に不可欠な守護神
  企業が何らかの利権侵害にあったり、法的紛争に巻き込まれるなど、外部からの脅威に対し法的手段を用いてそれらを解決することはもちろん、時には企業内部のプロジェクトに対しても、その先に在る危険を予知して制止したり法的なアドバイスを与えるなど、法の知識に基づいてリスクヘッジを行っているのが法務です。
  組織の内・外両面において、侵害や毀損から守り、時には訴訟を以て利権の侵害を阻止する法務の存在は、法を駆使して社員や組織を守ってくれる、文字通り「守護神」のような存在。全社から常に頼られ、感謝される重要な存在なのです。
• 社内の中枢を担う重要部署
  表立って華々しく活躍することは少ないですが、法務は、総務や財務、社長室といった社内の中枢部門のひとつです。我々個人がいかなる時も、法律によって権利や活動の自由を認められているのと同様、企業におけるそれらを守っているのが法務と言えますから、法務なくして安寧な企業活動は不可能と言っても過言ではないでしょう。それ故に重責ではあるものの、会社に対する貢献度も非常に高く、それに比例してやりがいの大きさもこの上ないものとなるはずです。
• 組織内のエリート集団
  法律の専門書を扱ったり、弁護士と普段から密にコミュニケーション取るなど、知的で学術的なイメージを伴う法務。扱う内容も難しく、知力が高くなければまず務まりません。そのため、希望したとしたからといって誰しもが所属を許される部署ではなく、法律を学んだ人にとっては憧れの部署とも言われます。法律という非常に専門性の高い知識を、実務をこなしながら身に付けることができるのも、法務ならではの特権と言えるでしょう。

事務職（法務・特許・審査）として働く上では、次のようなスキルが求められます。 コミュニケーション能力 訴訟や法的紛争の発生に限らず�