神戸製鋼所の企業研究

今回ご紹介するのは、今年2月5日にトムソン・ロイターの「Top100グローバル・イノベータ―2014」の受賞を始め、数々の受賞に輝いていることで有名な神戸製鋼所です。

この記事を読んでいる方の中には、神戸製鋼所への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、神戸製鋼所の経営理念や同じ鉄鋼業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある鉄鋼会社の中で、なぜ神戸製鋼所なのか？」という質問への対策を考えましょう。


神戸製鋼所について深く知るために、まずは神戸製鋼所の経営理念を確認しましょう。そこから神戸製鋼所が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

神戸製鋼所の企業理念は、以下の通り。
『信頼される技術、製品、サービスを提供します。社員一人ひとりを活かし、グループの和を尊びます。たゆまぬ変革により、新たな価値を創造します。』
（『神戸製鋼所の経営理念』より引用）

ここから分かるポイントは、卓越した技術で「信頼」を勝ち取り、「違い」を認めあうことで想像力を生み出して、新たな価値を創り出すという点。
具体的には、社会の信頼を損ねるような製品やサービスは提供しない、全体としての調和を保ちながら社員一人ひとりの特性を認め合い刺激しあうことから創造力を生み出す、常に「変革」に挑みチャレンジ精神を持ち続けるということです。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• 多様な発想力
• 新しいことにチャレンジする精神
• 和を尊ぶ心
• 変革に挑む心意気

次に、鉄鋼業界における神戸製鋼所と競合会社と比較してみましょう。
神戸製鋼所の競合といえば、日立金属株式会社が挙げられます。
神戸製鋼所と日立金属はどのように違うのでしょうか。

神戸製鋼所の売上高は18,246億円、日立金属は8,079億円です。神戸製鋼所の営業利益が1,145億円なのに対して、日立金属の営業利益は595億円です。神戸製鋼所の営業利益率は6.3％日立金属の営業利益率は7.4％で、神戸製鋼所よりやや高くなっています。
次に、人材の長期育成については神戸製鋼所の方が有利で、風通しの良さという点については両社とも同様の結果が出ています。特筆すべきは、残業時間の月間平均は神戸製鋼所の方が14時間も低く29時間になっているということです。また、有給消化率もやや高くなっています。ワークバランスの良さが窺えます。なお、神戸製鋼所の方が仕事に面白味を感じている人が多く、社内も明るくざっくばらんで人間関係が良いとの声も聞かれます。人生において会社で過ごす時間が如何に長いかを考えると、この点は大きな魅力になると思われます。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
鉄鋼業界の平成25-26年の業界規模（主要対象企業52社の売上高計）は16兆1,282億円となっています。平成19年から20年までは増加傾向、20年から21年には世界同時不況の影響を受けて大幅に減少し横ばいで推移。平成25年に入り、円安を背景に建設需要の活況、世界的な自動車需要の増加により業績は回復し、鉄鋼業界に明るい兆しが見え始めた結果、再び増加に転じています。こうした中、世界的な大型再編が相次ぎ、国内でも平成24年10月に、最大手の新日本製鉄が3位の住友金属工業を吸収合併して世界第二の鉄鋼会社『新日鉄住金』が発足しました。また同年10月には日新製鋼が日本金属工業と経営統合を果たしています。近年の鉄鋼業界は、不採算事業の統廃合やプラントの停止、企業買収を積極的に行っています。今後も再編は続くと見られ、スケールメリットが優先される鉄鋼業界の動向に注目が集まっています。

ここまで神戸製鋼所についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 �