古河電気工業の企業研究

今回ご紹介するのは、創業131年の歴史をもつ非鉄金属メーカーで、近年は、FTTHなどブロードバンド社会を支える光ファイバー、ハードディスク用アルミ基盤、ノートパソコンの放熱冷却用部品などで有名な古河電工。

この記事を読んでいる方の中には、古河電工への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、古河電工の経営理念や同じ非鉄金属メーカー業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある非鉄金属メーカー会社の中で、なぜ古河電工なのか？」という質問への対策を考えましょう。


古河電工について深く知るために、まずは古河電工の経営理念を確認しましょう。そこから古河電工が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

古河電工の企業理念は、以下の通り。
『世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。』
（出典： 古河電工グループ理念 ）

ここから分かるポイントは、「挑戦心」「行動力」「社会貢献」の3点。
古河電工の社員として、既存の枠組みにとらわれず、新たな市場の開拓や新事業の創出を目指し、夢を持ってチャレンジし続ける。自己成長のために向学心と問題意識を持つとともに、仕事の仲間と強調し合い、切磋琢磨していくこと。その結果、会社の目標を達成するとともに、豊かな社会の実現にも貢献する。古河電工は、このような志を持った人物を求めています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• チームとして、どのような目標をどのようにたてたか
• 目標達成のために個人としてどのようなことをしたか
• 目標達成の過程で、どのような失敗や挫折を経験したか
• 以上の体験から学んだことを、仕事をする上でどのように活かしたいか

次に、非鉄金属メーカー業界における古河電工と競合会社と比較してみましょう。
古河電工の競合といえば、住友電工が挙げられます。
古河電工と住友電工はどのように違うのでしょうか。

古河電工は、古河グループの光ファイバー・電線・ワイヤーハーネス等の製造を行っており、電線御三家（古河電工・住友電工・フジクラ）の一角と称されています。
技術力に定評があり、光ファイバーでは米コーニングに次いで世界2位、電線では世界5位。
さらに、自動車エアバッグ用ステアリング・ロール・コネクター（SRC）やリチウムイオン電池材料、ハードディスク用アルミ基板は世界首位、ETC用アンテナは国内首位と、その技術力の高さを誇っています。最近では世界最高電圧の超電導線開発も。

対する住友電工は国内最大の非鉄金属メーカーで、自動車関連製品をはじめとして、情報通信機器、電子部品、産業素材など多岐に渡る事業を展開。
住友グループの中核を成す企業として、住友商事、日本電気と並んで住友新御三家とされており、住友ゴム工業、住友電装の大株主でもあります。
近年は電線事業の他んも、光ファイバー製造技術を用いた光通信システム、粉末冶金、超硬合金、半導体材料における新素材開発など、新分野でも多くの実績を築いています。

次に古河電工と住友電工の財務状況を見てみましょう。
平成26年度における売上高は、古河電気工業が9,317億円であるのに対し、住友電気工業は25,687億円と大きく上回っており、業界首位の強さで圧倒。
一方で企業の儲けを示す経常利益は、古河電気工業が255億円のところ、住友電気工業は1,453億円と前年比でも大躍進を遂げています。
両社は電線国内首位と第2位という立場ですが、他の分野における市場規模の相違が伺えます。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
非鉄金属の製品化技術に秀でている日本は、諸外国からの引き合いが常に旺盛であったものの、世界同時不況以降は需要が大きく減少していましたが、各国政府の助成策で自動車や家電の需要分野が回復しつつあります。
今後は需要回復スピードが速い中国への輸出強化、さらに、海外鉱山の取得の成否がポイントになると見られています。
また、原料となる鉱石はほぼ輸入に依存しており、原料を安定的に仕入れることが長年の課題でした。しかし、近年はリサイクル技術の革新によって、金属くずなどのリサイクル原料から銅などの金属を取り出すことが可能に。この技術がさらに進めば、国内に存在するリサイクル原料から、金属材料や加工材料を入手することができるため、安定的に製品を作ることができると期待されています。

また、古河電気工業の競合他社としては、住友電気工業、フジクラが挙げられます。

ここまで古河電工についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選�