日本出版販売の企業研究

今回ご紹介するのは、書籍、雑誌などの出版流通で有名な日本出版販売。

この記事を読んでいる方の中には、日本出版販売への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、日本出版販売の経営理念や同じ出版業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある出版会社の中で、なぜ日本出版販売なのか？」という質問への対策を考えましょう。


日本出版販売について深く知るために、まずは日本出版販売の経営理念を確認しましょう。そこから日本出版販売が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

日本出版販売の企業理念は、以下の通り。
『一、日販は、文化を担うメディアを通じて社会に貢献する
一、日販は、株主・顧客のニーズに応え共に繁栄する
一、日販は、先見性と創造性を持って未来に挑戦する』
（日本出版販売　経営理念ページより引用）

ここから分かるポイントは、「社会貢献」「繁栄」「挑戦」の3点。
文化的な面で社会の豊かさに貢献できるよう努める。良い商品・サービスを通じて株主やお客様の繁栄に貢献し、自らも成長していく。新空間の創造と出版流通の変革を推し進める。こうしたことを日本出版販売では重視していると考えられます。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。

• 社会の文化面の充実を図るために、組織としてどんな取り組みをしていくか
• 他者とともに繁栄・成長していくために、どんな心がけをするか
• 新たな領域への挑戦を成功させるために、何を重要視するか

次に、出版業界における日本出版販売と競合会社と比較してみましょう。
日本出版販売の競合といえば、トーハンが挙げられます。
日本出版販売とトーハンはどのように違うのでしょうか。

まずは日本出版販売とトーハンの財務状況を見てみましょう。
2014年4月から2015年3月末までの営業収入（売上高）は、日本出版販売が538,309百万円（単体）であるのに対し、トーハンは480,919百万円です。

つぎに事業内容を見てみましょう。
日本出版販売は業界No.1の出版販売会社であり、17年連続売上トップを誇っています。全国約3,200社の出版社、約10,000店の書店及び31,000店のコンビニエンスストアを結び、書籍、雑誌などの円滑な流通を行っています。時代ごとの読者のニーズに応えられるよう、書店支援とともに、最先端技術を利用した流通業務のシステム化、FA化を推進して成長を続けています。

一方トーハンは、1949年の創業から常に出版流通業界のリーディングカンパニーであり続けてきました。出版社と書店をつなぐため、物流機能、商流機能、情報流通機能、リテールサポート機能の4つの機能を発揮しており、現在は業界全体のインフラとして、情報と物流の改革に取り組んでいます。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
最近出版業界を賑わせたのは、アマゾンが出版社6社と手を組んで、110タイトルの書籍を期間限定で、2割引で販売するという話題でしょう。「低価格で集客したいアマゾンと、返品を減らしたい出版社の思惑が一致した」、「アマゾンの狙いは、期間限定キャンペーンをやることではなく、恒常的に自由な価格で販売できるようにすることだ」などの憶測がささやかれました。再販制度の下、定価販売が慣習となっている出版業界において価格競争が始まるというのは重大ニュースなのです。

ただ、書店側はこれに関して大激怒しました。アマゾンだけにバックマージンを支払って、割引販売を奨励しているにも関わらず、多くの書店が同じ商品を定価でしか売れない状況を放置したことが原因です。出版社がアマゾン一社を優遇するような流れにくさびを打ちたいのは、書店側として当然でしょう。

さらに、書籍を値引き販売することで出版社の売上・利益は上がったのかどうかという点ですが、実際それほど売れていないのです。「売れない本は安くしても、売れない」というのが現実であり、売上向上のためには価格ではない別の面からのアプローチ求められるでしょう。

ここまで日本出版販売についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。