伊藤忠食品の企業研究

今回ご紹介するのは、伊藤忠商事の子会社として酒類・食品の卸売を主な事業とする商社で有名な伊藤忠食品。

この記事を読んでいる方の中には、伊藤忠食品への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、伊藤忠食品の経営理念や同じ食料品卸売業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある食料品卸売会社の中で、なぜ伊藤忠食品なのか？」という質問への対策を考えましょう。


伊藤忠食品について深く知るために、まずは伊藤忠食品の経営理念を確認しましょう。そこから伊藤忠食品が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

伊藤忠食品の企業理念は、以下の通り。
『常に時代の変化と要請を先取りし、健康で豊かな食生活創りを通じて消費者と社会に貢献すること』
（伊藤忠食品株式会社 企業理念・経営ビジョンページより引用）

ここから分かるポイントは、「主体性」「挑戦」「社会貢献」の3点。
伊藤忠食品の社員として、自らの成長が会社の成長へとつながることを意識し、チャレンジ精神を持って行動する。大きく変化し続ける時代の変容にもフレキシブルに対応できるよう、常に向学心を持って学び備えること。仕事の仲間と協調し合い、アイデアを分かち合い、社員一丸となって会社の目標を達成する。会社の発展に貢献するとともに、豊かな社会の創造にも寄与する。伊藤忠食品はこのような志を持った人物を求めています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• チームとしてどのような目標をどのようにたてたか
• 目標達成のために個人としてどのような役割を果たしたか
• 目標達成の過程で経験した失敗や挫折から学んだこと
• 以上の体験で得たことを、仕事の上でどのように活かしたいか

次に、食料品卸売業界における伊藤忠食品と競合会社と比較してみましょう。
伊藤忠食品の競合といえば、加藤産業が挙げられます。
伊藤忠食品と加藤産業はどのように違うのでしょうか。

伊藤忠食品は、同社、同社の子会社5社、関連会社2社とその他関連会社4社、および親会社の伊藤忠商事で構成されており、明治19年の創業以来、食料卸売企業として業界をリードし、現在は約40万アイテムの商品を取扱っています。
また、商社としての機能はもちろん、業界を代表する企業として、営業、物流、情報、マーチャンダイジング、マーケティング、代金決済をはじめ、ブランド商品開発やECへの展開など、様々な提案を顧客に行っています。

対する加藤産業は昭和22年設立。同社と子会社27社、さらに関連会社3社で構成されており、主な事業は食品卸売業。さらに物流やその他のサービスの事業展開も行っています。
近年は高度な情報化と商社機能の追求をポイントに効率的な流通サービスを目指すとともに、平成27年2月には、シンガポールのNaspac Marketing Pte.Ltd.を連結子会社とし、先行して事業を行っている中国やベトナムとともに、アジアにおける事業展開にも注力しています。

次に伊藤忠食品と加藤産業の財務状況を見てみましょう。
平成26年度の売上高は伊藤忠食品が 連結6,176億600万円であるのに対し、加藤産業は連結9,260億9,000万円と大きく上回る結果に。
一方で営業利益は、伊藤忠食品が連結36億7,000万円のところ、加藤産業は連結89億3,200万円と圧倒的な強さを見せています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
先が見え難い将来の不安に対し、多くの消費者は生活防衛意識を持って日々生活しており、買い過ぎを抑えたり節約傾向にあるため、食品業界は厳しい経営下に置かれています。
このような中、消費者のニーズをつかみ市場を拡大させている分野もあり、例えば外食やレジャーよりも家庭で食事をする内食化が進んでいるのもその一端と言えるでしょう。

しかしながら、内食人気の一方で、対抗する居酒屋やファミリーレストランが低価格による提供を始めたものの、外食全体の低価格を招いたり、弁当や惣菜などの需要増加も、PB商品などによる単価低下が進むなど、食品業界にとっては一長一短の状況にあるようです。

ここまで伊藤忠食品についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 �