ワタミの企業研究

今回ご紹介するのは、居食屋「和民」で有名なワタミ。

この記事を読んでいる方の中には、ワタミへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、ワタミの経営理念や同じ飲食業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある飲食会社の中で、なぜワタミなのか？」という質問への対策を考えましょう。


ワタミについて深く知るために、まずはワタミの経営理念を確認しましょう。そこからワタミが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

ワタミの企業理念は、以下の通り。
『地球人類の人間性向上のためのよりよい環境をつくり、よりよいきっかけを提供すること』
（「ワタミグループミッション」より引用）

ここから分かるポイントは、「人間性向上」の1点。
ワタミは、「地球上で一番たくさんの“ありがとう”を集めるグループになろう」というグループスローガンを掲げ、それを実行することで上記理念の達成に努めています。求める人材像は、「いつか自分でお店を持ちたい」「人が好き」「食を通してコミュニケーションを図りたい」という人。夢を持ち、その夢を追う過程で人間性を向上させるという成長意欲に溢れた人を必要としています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• 夢と目標について、目標達成のために努力していること
• チームで成し遂げたこと、その中での自分の役割、リーダーの経験
• 自己成長のため継続していること、そこから得たもの
• 困難や挫折の経験、その克服方法、克服して達成した経験

次に、飲食業界におけるワタミと競合会社と比較してみましょう。
ワタミの競合といえば、吉野家ホールディングスが挙げられます。
ワタミと吉野家ホールディングスはどのように違うのでしょうか。

ワタミは、国内外食事業および宅食事業を展開しており、国内外食事業では11の外食ブランド、580店以上を展開しています。中でも1992年より居食屋として開始した「和民」は有名で、近年では香港や上海、カンボジアなどにも出店。食宅事業においては1軒1軒「手渡し」が基本の「ワタミの宅食」を展開し、一般家庭はもちろん健康管理が難しい高齢者にも宅配しています。双方の事業にてこだわるのは、おいしさはもちろん安全面や健康面、食材の無駄を省くといった創業者の意志を受け継いだもの。「和民」では「ワタミファーム」で作られた有機野菜を13年以上にわたり提供し、「ワタミの宅食」では素材やカロリー、塩分などにこだわったお弁当・惣菜の提供に努めています。社内にはDFC（ダイレクトフランチャイズ）制度が設けられており、社員の近い将来の独立を支援。平成27年3月期には赤字計上となりましたが、平成26年10月に誕生した新社長のもと様々な改革が進められています。

対して昭和33年設立の吉野家ホールディングスは、「吉野家」をはじめ讃岐うどんの「はなまる」、テイクアウト鮨・弁当の「京樽」など、ファストフードをはじめとする外食事業を展開する会社。中でも売上高の50％以上を誇る「吉野家」には110年余りの長い歴史があり、創業以来「うまい、やすい、はやい」にこだわった牛丼の提供を行っています。また海外にも多くの店舗を展開しており、平成27年現在、海外18エリアにておよそ650店舗を運営。米国1号店で「ビーフボウル（牛丼）」の提供を始めたのは1975年（昭和50年）であり、早くから積極的な海外進出を試みた経緯があります。近年では「吉野家」のドライブスルーも誕生するなど時代のニーズに積極的に対応。ブランド力と海外出店の経営ノウハウを強みとし、平成27年2月期売上高を連結1,800億円としています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成25～26年の飲食業界売上高は4兆2,526億円、経常利益は1,775億円です（対象企業98社合計）。これまでの推移は、平成17年から20年まで増加傾向にあり、その後平成22年まで横ばいとなります。平成23年から25年にかけては再び増加傾向となり、過去5年の伸び率を2.4％のプラスとしています。

近年では堅調な推移を見せる飲食業界ですが、その一方で市場規模の縮小による競争が激化し、大手企業によるM＆Aが加速している状態。また、不採算店舗の業態転換を行う企業も見られています。このような動きは今後も続く見込みとされており、各企業では様々な戦略が模索されています。

ここまでワタミについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考�