日立造船の企業研究

今回ご紹介するのは、「環境・グリーンエネルギー」、「社会インフラ整備と防災」を事業ドメインとする「環境の日立造船」で有名な日立造船。

この記事を読んでいる方の中には、日立造船への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、日立造船の経営理念や同じプラント・エンジニアリング業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数あるプラント・エンジニアリング会社の中で、なぜ日立造船なのか？」という質問への対策を考えましょう。


日立造船について深く知るために、まずは日立造船の経営理念を確認しましょう。そこから日立造船が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

日立造船の企業理念は、以下の通り。
『私達は、技術と誠意で社会に役立つ価値を創造し、豊かな未来に貢献します。』
（Hitz 日立造船株式会社　企業理念ページより引用）

ここから分かるポイントは、「チャレンジ精神」「協調性」「社会貢献」の3点。
日立造船の社員として、常に目標を持って主体的に行動し、物事を探求する姿勢で仕事に臨むこと。自らの成長が社会や地球に貢献することを理解し、仕事の仲間を敬い、互いに切磋琢磨しながら技術力の更なる向上を目指す。その結果、顧客の満足を得て会社の発展に貢献すると同時に、会社の成長が豊かな未来の社会にも寄与する。日立造船は、このような志を持った人物を求めています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• チームとしてどのような目標をどのようにたてたか
• 目標達成のために個人としてどのような役割を果たしたか
• 目標達成の過程で経験した失敗や挫折から学んだこと
• 以上の体験で得たことを、仕事の上でどのように活かしたいか

次に、プラント・エンジニアリング業界における日立造船と競合会社と比較してみましょう。
日立造船の競合といえば、三井造船が挙げられます。
日立造船と三井造船はどのように違うのでしょうか。

日立造船は日立造船グループに属し、同グループは日立造船と連結子会社87社、さらに持分法適用会社13社で構成。同グループは環境装置、プラント、機械、プロセス機器、インフラ設備、精密機械などの設計、製作、 据付、販売、修理、保守・保全、運営などを行っています。 同社は平成26年度に中期経営計画「Hitz Vision Ⅱ」をスタートさせ、社会的存在感を持った高収益企業を目指しすため「環境・ グリーンエネルギー」と「社会インフラ整備と防災」の事業へ経営資源を集中することに。さらに、収益力強化に向けた事業戦略構築、海外現地事業の推進、アフターサービス等の継続的事業の拡大等に取り組んでいます。

対する三井造船は、三井物産造船部として大正6年創業。同社をはじめ、子会社111社、関連会社54社により三井造船グループが構成されています。主に船舶海洋、機械プラント、社会インフラ、情報通信や、これらに関連する設備の設計、製造、エンジニアリング、建設・据付、販売・修理、保守保全を行っている一方で、各種鋳造品の製造・販売、ソフトウェアの開発、不動産 の賃貸、各種サービス業なども営んでいます。また、同社グループは14中計（平成25年7月～平成29年3月の中期経営計画）を掲げ、グループ総合力とグローバル展開による事業拡大のために体制構築に取り組んでおり、事業領域とビジネスモデルの変革を進めています。

次に日立造船と三井造船の財務状況を見てみましょう。
平成27年度の売上高は、日立造船が連結3,593億3,200万円であるのに対し、三井造船は連結8,165億2,000万円と大きく上回っています。
一方で営業利益は、日立造船が連結128億1,800万円のところ、三井造船は連結132億9,800万円とほぼ互角に。三井造船は、エンジニアリング部門の連結子会社における大幅減益の影響を受けたようです。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
「平成28年以降、新たに就航を始める船舶はNOx排出量を以前の基準から更に80％減らす」という新規性を策定した国連参加の国際海事機構（IMO）。その結果、約1億円とも言われる巨大市場が誕生し、日立造船をはじめとした競合他社は、課題解決に向けた脱硝装置開発に挑むことに。

平成26年、脱硝装置を世界で初めて市場投入したのは日立造船。環境意識が高い欧州から高い評価を受けている一方で、実績を重視する日本の船主の動きは鈍く、国内に先駆けて欧州やアジアにおける市場で成功を収めるのが先決という状況になっているようです。

ここまで日立造船についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選�