シマンテックの企業研究

今回ご紹介するのは、セキュリティソフトウェアで有名なシマンテック。

この記事を読んでいる方の中には、シマンテックへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、シマンテックの経営理念や同じネットワーク機器業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数あるネットワーク通信機器業界の中で、なぜシマンテックなのか？」という質問への対策を考えましょう。


シマンテックについて深く知るために、まずはシマンテックの経営理念を確認しましょう。そこからシマンテックが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

シマンテックはCorporate Fact Sheetのなかでミッションをこのように述べています。
『Symantec makes the world a safer place by helping people, businesses, and govern-ments protect and manage their information so they can focus on achieving their goals.』
（シマンテックは、人やビジネスや政府の情報を守り、管理することで、それぞれのゴールを目指すことに集中出来るようにする、より安全な世界を作ります。）
（Symantec Corporate Fact Sheetsより引用）

ここから分かるポイントは、「顧客層の幅広さ」と「セキュリティソフトによって実現したいこと」というシマンテックの根幹を支えるという２つの視点です。

ミッションが表すようにシマンテックでは個人、中小企業から大企業や政府に至るまで幅広い顧客層がいるとともに、グローバル市場を牽引するセキュリティソフトウェアのベンダーとして情報保護・管理について非常に幅広いノウハウを蓄積していることが現状の強み。
それに加えて、スマートフォンやタブレットなどの新しいデバイスのさらなる普及、IoT（Internet of Things）市場の拡大により新しいセキュリティのニーズが次々に生まれているため、「セキュリティで安全な世界を作る」ためには常に新しいアイデアを出すことも重要となります

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の３点です。

• 相手の求めていることを汲み取り、それを叶えた経験
• 新しいアイデアを出し、それをカタチにした経験とその成果
• 問題に直面したときに、それを分析し解決方法を導きだした経験

次に、ソフトウェア業界におけるシマンテックと競合会社と比較してみましょう。
シマンテックの競合といえば、マカフィーが挙げられます。
今回は、シマンテックとマカフィーを比較してみましょう。

まずシマンテックの最大の強みはウイルス対策ソフトである「ノートン」を中心に個人向けセキュリティソフトのシェアが世界１位であるという点です。当然ながら国内外問わず認知度も高く、セキュリティソフトのニーズが高まっている現在において盤石とも言える地位を築いています。

これからの課題は、「総合的なソリューリョン」の提供をより強化するという点にあります。これまでも強みを発揮してきたセキュリティ、バックアップとリカバリ、データの可用性、情報漏洩防止製品に加え、クラウド上のデータ保護やビッグデータ分析による脅威保護など近年注力する分野でも市場を牽引する企業ならではの情報量や経験値を活かし、サービスや製品向上を目指しています。
直近の通年決算ではバックアップなどの情報管理事業が好調。一方でストレージ事業を売却し世界最大のサイバーセキュリティ企業を目指すという方針も打ち出しています。

対するマカフィーは、シェア世界2位のインテルの完全子会社。これからの戦略についてはシマンテックとも方針が近いです。クラウドのセキュリティ強化やセキュリティに関連する情報を共有していくためのオープンプラットフォームの強化などに特に近年は力を入れています。
また、モバイル向けのソフトウェアに強みを持っていると自負しておりさまざまなデバイスが普及する現在強みを発揮している部分の１つと言えます。日本国内では三大キャリア(NTTドコモ・KDDI・SoftBank)すべてとパートナーシップを結ぶなど事業は堅調です。

以上の通り、この２社は業界での立ち位置も近く主要製品が競合、これからの戦略も近いものがあります。一方でところどころ強みとしている部分や動向が異なる点もあるため、そうした点にも注目して企業研究を進める必要があるでしょう。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
ソフトウェア業界全体で見ると、「セキュリティ」は重要なテーマの１つとして近年注目されています。特に企業や金融機関などへのサイバー攻撃が増加するなど、情報管理のリスクは年々高まっています。また、その他に注目される「クラウド」についても保護対象として重要な他、「ビッグデータ」を活用した脅威対策など、業界トレンドの変化によってより大きなニーズを掴んでいる分野と言えるでしょう。
また、日本国内に限って言えば「マイナンバー制度」に関連してセキュリティのニーズが高まったという点も大きな動きです。個人向けのサービスやソフトウェアはもちろん、企業や自治体向けのセキュリティソリューションについてもこれから新しい対応策が求められる分野のため、注目することで各社の違いが実感出来るかもしれません。

ここまでシマンテックについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。