ハインツ日本の企業研究

今回ご紹介するのは、世界的なケチャップやソース類のメーカーとして有名なハインツ日本株式会社。

この記事を読んでいる方の中には、ハインツ日本への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、ハインツ日本の経営理念や同じ食品業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある食品業界の企業の中で、なぜハインツ日本なのか？」という質問への対策を考えましょう。


ハインツ日本について深く知るために、まずはハインツ日本の経営理念を確認しましょう。そこからハインツ日本が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

ハインツ日本の企業理念は、以下の通り。
『TO BE THE BEST FOOD COMPANY, GROWING A BETTER WORLD.』
（より良い世界を育てながら、最高のフードカンパニーになること。）
また、この理念を構成する要素として、「消費者を最優先」、「品質」、「誠実」、「経営者意識、能力主義」、「イノベーション」という5つのキーワードも挙げられています。
（Our Visionより引用）

ここから分かるポイントは、「世界最大級の食品メーカーとして顧客と向き合う姿勢」と「求められる働き方」 の２点。
ハインツはケチャップのみならずソースや冷凍調理品、スープなどを中心に世界中から愛されている商品を持つ世界最大級の食品メーカーです。拠点は本社のアメリカや、日本のみならず、45カ国に事業を展開。ファンも多い商品だけに、その期待に答えられるよう常に消費者に目を向け、最高の製品を提供し続けるという強い思いが理念からも感じられます。
また、それを実現するために求められるのが「経営者意識、能力主義」というキーワードです。経営理念を大切にしつつも、組織に依存することなく、自らの意志を持って仕事に取り組むことが大前提となります。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。

• 自らがリーダーシップを発揮し、成果を出した経験
• 相手の求めることに耳を傾け、問題を解決した経験
• 日頃から自らの能力を高めるために努力していることや、その努力の成果

次に、食品業界におけるハインツ日本と競合会社と比較してみましょう。
ハインツ日本の競合といえば、日本デルモンテが挙げられます 。
今回は、ハインツ日本と日本デルモンテを比較してみましょう。

同様にケチャップが主力商品であるハインツ日本と日本デルモンテですが、最大の違いは経営体制にあります。

ハインツ日本は現在米国ハインツの100％出資となっていますが、一方の日本デルモンテはキッコーマン株式会社が100％株を保有する親会社で、米国デルモンテ社とは技術提携の関係にあります。軸足のある国が全く異なるため、戦略の違いも表れやすいと言えるでしょう。
特にハインツ日本のような日本に拠点を持つ外資系食品企業はアジア市場の動向に左右をされやすい状況にあるため、単純に国内だけで比較せずにアジア市場の中の日本という観点を持って、状況を理解することも必要です。

また、求められる働き方も大きく異なります。親会社がアメリカにあるハインツ日本の場合は業務上本国とのコミュニケーションも必要不可欠で、多くのポジションにおいてビジネスレベルの英語力を求められる可能性が高いです。
また、理念にも示されていたように「実力主義」といういかにアメリカらしい風土が顕在化しています。一方の日本デルモンテは自社では日本国内のみに拠点を持っているため仕事環境は大きく異なります。

一見同じような外資の食品会社かと思いきや、実態は全く異なる2社のため、採用試験を受ける場合にはよく比較をしてみましょう。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
食品業界全体の動向は、ここ数年堅調な市場規模拡大傾向をみせています。近年円安傾向にあったため商品の内容量を減らすなどの対応で各社商品の実質値上げを行ったものの、購買意欲は上昇しており、それに助けられての上昇と言えそうです。しかし実際には円安での原材料の輸入コストが高くっているトレンドは変わらず、こうした状況が続けばこのままの成長は難しいと言えます。
加えて、中長期的に見ると日本国内の食品業界は、高齢化・人口減少などの影響から減少トレンドとなっており、海外市場への展開が各社のキーとなっています。

また、トマトケチャップというニッチな市場に限ると、2013年時点で約187億の市場規模があるとカゴメが推計しており、同じくカゴメがその市場でダントツのシェアを占めています。過去5年ほどのなかで「トマトブーム」が起こり、トマトジュースなどが今まで以上に人気を高めたものの、そのブームも下火になり、それ以降はカゴメも新たにケチャップを活用してのブーム作りが必要という姿勢を示しています。
狭い市場の中で各社がどのような打ち出しをするのか、注目が必要です。

ここまでハインツ日本についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。