神鋼商事の企業研究

今回ご紹介するのは、神戸製鋼グループ約120社中、唯一の商社で、鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料などを取り扱いで有名な神鋼商事。

この記事を読んでいる方の中には、神鋼商事への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、神鋼商事の経営理念や同じ商社業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある商社会社の中で、なぜ神鋼商事なのか？」という質問への対策を考えましょう。


神鋼商事について深く知るために、まずは神鋼商事の経営理念を確認しましょう。そこから神鋼商事が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

神鋼商事の企業理念は、以下の通り。
『私たちは誠実をモットーに、新しい価値の創造を通じて、豊かな社会づくりと、みんなの幸せをめざします。』
（神鋼商事　企業理念ページより引用）

ここから分かるポイントは、「顧客主義」「挑戦」「社会貢献」の3点。
神鋼商事の社員として、顧客のために、既存の枠にとらわれない自由な発想で時代が求める商品の提供に努める。
仕事の仲間と切磋琢磨して互いに成長し、会社の目標達成に貢献する。
その結果、顧客からのさらなる信頼を得る。
会社が発展することで、社員とその家族の幸せを築き上げるとともに、暮らし豊かな社会の創造へと寄与する。神鋼商事は、このような志を持った人物を求めています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• チームとして、どのような目標をどのようにたてたか
• 目標達成のために個人としてどのような役割を果たしたか
• 目標達成の過程で経験した失敗や挫折から学んだこと
• 以上の体験で得たことを、仕事の上でどのように活かしたいか

次に、商社業界における神鋼商事と競合会社と比較してみましょう。
神鋼商事の競合といえば、日鉄住金物産が挙げられます。
今回は、神鋼商事と日鉄住金物産を比較してみましょう。

神鋼商事は神戸製鋼グループにおける中核商社として、鉄鋼、アルミ、銅、溶接などの素材供給をはじめ、鉄鋼生産のために必要な原料の調達、産業機械の提供などを主な事業としています。 同社は「モノづくりを支えるメーカー商社」という強みを持ち、製造業や建設業に対して提案型のビジネスを行ってきました。時代が代わり、現在、同社が挑むのはグローバル事業の展開。アメリカ、中国、東南アジアなど、世界の各地で様々なプロジェクトが進行しています。
そんな同社が目指すのはグローバル商社としての確立。新規マーケットや新規商材の開拓に取り組むことで、メーカー商社として一層の基盤強化に努め、現状は約3割という海外取り扱い比率を平成32年には5割へと伸ばすべく海外ビジネスの拡大を図っています。

対する日鉄住金物産は、平成25年10月1日に住金物産と日鐵商事の合併により誕生。新日鐵住金グループの中核商社として、主に鉄鋼、産機・インフラ、繊維、食料という4つの事業で展開する複合専業商社で、国内31ヵ所、海外17ヵ国36都市に拠点を構えグローバルにビジネスを行っています。
そんな同社が掲げる中期経営計画のテーマは、「衣食住に関わる商品・サービスを提供する商社としての社会的責任を果たすとともに、経営基盤を強固なもの として持続的成長を目指す」 。 具体的には、鉄鋼分野におけるシェア拡大、自動車部品・インフラ関連事業のグローバル展開、アパレルODMおよびソリューション事業の強化・拡大、食糧分野における海外ビジネスの強化・拡大と、同社の強みを活かした成長戦略を推進しています。

次に神鋼商事と日鉄住金物産の財務状況を見てみましょう。 平成27年の売上高は、神鋼商事が連結8,704億700万円であるのに対し、日鉄住金物産は連結2兆1,046億円と倍以上の結果をたたき出しています。
一方で営業利益は、神鋼商事が連結６７億8,800万円のところ、日鉄住金物産は連結286億円と、営業利益でも大きく上回る結果に。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
高炉4社（新日鉄住金、JFEホールディングス、神戸製鋼所、日新製鋼）が公表した平成28年3月期連結決算によると、各社とも連結経常利益が大幅に減少。平成27年は、消費税増税の影響が長期化する国内需要の回復が遅れたことや、中国による過剰生産および輸出で国際市場が混乱したことなどが要因となり、各社の業績はリーマン・ショック直後の水準まで下落しています。
一方で、国際鋼材の市況や原料価格が上昇に向かっていることや、国内需要の回復も期待されており、各社が取り組んでいる収益構造改革策が効と出れば、今後の利益予想が好転するという予測も出ています。

ここまで神鋼商事についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選�