Ｐ＆Ｇの企業研究（事業・成長戦略）

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世界で最も難関な日本市場でしのぎを削る！Ｐ＆Ｇの事業・成長戦略とは？

今回ご紹介するのは、「パンパース」「ファブリーズ」「パンテーン」「SK-II」などを世界180カ国で展開する、世界最大の日用消費財メーカー「Ｐ＆Ｇ」です。

◆ TOPIC
成熟市場、日本での挑戦

事業戦略としての「ダイバーシティ&インクルージョン」

日本未上陸ブランドで巻き返しを図る

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成熟市場、日本での挑戦

世界180カ国で製品を提供する世界最大の日用消費財メーカーであるＰ＆Ｇ。日本では1973年に営業を開始しており、育児事情を激変させた紙おむつ「パンパース」をはじめ、ナプキン革命と称された「ウィスパー」、新しい生活習慣を生んだ「ファブリーズ」などでおなじみです。

同社にとって日本市場は戦略的に重要視されており、その理由として、優れた競合他社の存在、世界で最も目の肥えた消費者の存在、厳しい小売業界、複雑な流通制度、厳格な規制が挙げられています。経営陣の間でも「日本での成功なくして世界での成功はない」とささやかれるほど。

グローバルの会長を歴任したロバート･マクドナルド氏や、リーダーシップチームのワーナー・ゲイスラー氏が日本勤務後に、現在の地位に就いていることからも分かるように、日本市場は非常に難関であるという想像がつくことでしょう。

事業戦略としての「ダイバーシティ&インクルージョン」

では、P&Gはどのような戦略で日本市場に挑んでいるのでしょうか。

その答えは「ダイバーシティ&インクルージョン」にあります。これは福利厚生のプログラムのようですが、同社では事業戦略の一環として捉えられています。「ダイバーシティ&インクルージョン」を推進することで、異なる個性を持つ人材がさまざまなインサイトを持ち寄り、さらに革新的なイノベーションを生み出す。1人ひとりがより充実感を持って仕事に臨み、個人も会社も業績が上がってくる。それが、同社の事業戦略「ダイバーシティ&インクルージョン」なのです。

このような取り組みは日本企業からの注目を集めており、数多くの問い合わせがあるといいます。そして、それらの期待やニーズに応えるべく新プロジェクト「P＆G ダイバーシティ＆インクルージョン啓発プロジェクト」を発足。

その目的は、同社が培ってきた「ダイバーシティ&インクルージョン」のノウハウを提供し推進していくことで、企業におけるダイバーシティ経営の発展に貢献すること。さらに、このプロジェクトの活動を通じて、同社の「ダイバーシティ&インクルージョン」、そしてイノベーションをより進化させていくこと。同社にとっても継続的な成長につなげていくプロジェクトとなっています。

日本の人事部「HR アワード 2016」（主催：日本の人事部、後援：厚生労働省）では特別賞を、「平成28年度東京都女性活躍推進大賞」「JAPAN WOMEN AWARD2016」でも、それぞれ産業分野で大賞、「活躍推進部門」グランプリを受賞しています。