「違和感」に正直であれば、それが「志」になる
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2017年11月07日更新
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「違和感」に正直であれば、それが「志」になる

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校長先生を殴って退学、それがアタリマエの環境でした(笑)

-以下、山口高弘氏-

こんにちは。今日は僕の「事業家としての人生」というテーマでお話していきます。懇親会もあるということなので、フランクにお話していけたらと思います。よろしくお願いします。(会場拍手)

まずはこちら。

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この17は、ボクシングを始めた年齢ですね。17歳の時から実はボクシングやってたんですよ。プロライセンスも取得して、世界ランクを目指してました。

みなさんはボクシングって聞くと、どういイメージあります?世間では、「ボクサーって怖そうだけど、意外に普通の人だよね」という印象をよく聞くんですけど。そんなことはない(笑)ボクサーが100人いたとしたら半分はヤンキーですね。(会場笑)
まぁ、ヤンキーにもやんちゃレベルが1~10段階あって、「やんちゃレベル1=高校入学初日に校長先生を殴って退学になった」という感じです。僕の周りにはレベル10くらいの人が沢山いましたからね。まぁ、お察しください(笑)

そんな環境でボクシングを練習してた訳ですけど、1つ気づいたことがあったんです。それは、「素行不良=本人のせいではない」ということ。多くの原因は家庭環境なんですね。例えば、世界ランクを目指してハードな練習して家に帰っても、ご飯もない、寝る場所もない。居場所がないんです。 じゃあ、その環境は親のせいか?というと、そうとも言い切れない。想像できるかわからないんですが、子育てって本当に大変なんですよ。子育てをやっている時って、自分自身のキャパシティを超えてしまうことがあるんですよね。人によってキャパシティの大きさはそれぞれだから、あまり大きくない人はすぐ溢れちゃう。「子供のことを愛しているけど、どうしても殴っちゃう」という人が周りに沢山いました。

19歳、22歳と二度起業、二度バイアウト

19歳になった頃、自分のボクシングでは世界のトップオブトップにはいけないな、と感じはじめて。その頃、シェアハウス事業を立ち上げました。7家族が集まって、1つのシェアハウスに住むという仕組みなんです。1つの家族だけで子育てしようとするとキャパシティが溢れちゃうなら、7つの家族が集まって子育てすることでお互い補い合いよい環境が生まれるのではないか?そう考えたんですよね。

当時は、周りの人誰もが反対しました(笑)当時はシェアハウスという概念自体が珍しかったですし、「赤の他人と誰が一緒に住みたいの?」って。でもやってみると、意外と事業が上手くいったんです。例えば、シェアハウスにすると生活コストが押さえられたり、子供が自分の親以外の大人に触れることで社会性を身につけられたり…。入居者の方に喜んでいただけました。結局、その事業は3年ほど続けたんですが、その後バイアウトしました。自分が経営者をやるよりも、自分よりもっと大きなプレイヤーに託して、その事業を広げてもらったほうが、幸せになる人の総量が増えると思ったんです。「経営者としてあり続ける」というこだわりよりも、その事業を通じてどうすれば社会がよりよくなるか?それが実現できる選択をしたい、という想いの方が自分にとっては大切だったんです。

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22歳になった私は、周りから一足遅れて大学に入学しました。大学生活を送る中で第2の事業を立ち上げるきっかけになったのは、カンボジアから海外の友人が来日したことでした。その友人は、何日間か日本に滞在した結果、「日本には二度と来たくない」って言ったんです。理由を聞いたら、「日本の宿泊環境は貧困だ」って。おかしいと思うじゃないですか?日本の宿泊環境は清潔だし、クオリティも高い。申し訳ないけど、カンボジアより質がいいと反論したんです。そしたら「忍者がいないじゃないか!」と怒られました(笑)

紐解いてみると、友人は日本に来たからには「和」を感じたかったんですよね。ただ、滞在期間の多くの時間を費やす宿泊施設は全部洋室で、日本らしさが全く感じられなかった。だから「貧困」という表現になったんです。 私は「なるほど。」と思いました。だったら日本家屋に宿泊してみたらいいじゃん、とその友人を連れて、見ず知らずの人が住んでいる日本家屋のインターンフォンを押して「今晩泊めてくれませんか?」というお宅訪問をやってみました。まぁ、もの凄い拒否反応にあって、「馬鹿かこいつ」って目で見られたんですけど(会場笑)

これがきっかけて、外国人宿泊客×日本家屋というテーマで事業を立上げちゃいました。外国人宿泊客のニーズもあるし、よくよく調べると日本家屋って空いている物件が沢山あるんですよね。だから、不動産会社を絡めたら事業化できるかなって。

MBAの授業は1つも役にたたなかった

自分で事業を立ち上げて、いろんな活動をしてたわけですけど、ある時期に、「このノウハウを体系化したい」と考え始めました。一番の近道はMBAを取ることなんじゃないか?と、友人の紹介で一度MBAの授業を受けてみたんですね。 で、いってみたらベンチャーには何も関係なかった…(笑)関係なかった、というと語弊があるかもしれないんですが、MBAって結局『100億の利益がある企業をもっと大きくするにはどうしたらいいか?』という課題に対して解決策を導いていく学問で。0から1を創りだすときには、全然役に立つ内容ではなかったんですよね。例えば、「まずは、マーケットを分析することが重要」とかっていうけど、事業を0から立ち上げるときに、悠長にマーケット分析をしてても死ぬよね?とか(笑)なので、MBAを取るのではなく、0から事業を始めている人たちのサポートをする仕事をしたいと思い、「コーチ」に転身をしたんです。それが今の自分が取り組んでいるインキュベーター支援の事業(GOB-Incubation Partners)です。

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今までに支援した事業としては、子育てコミュニティスペース事業や、フィットネスクラブ×コワーキングスペースを組み合わせたサービス、ドッグトレナーを探すプラットフォーム事業などがありますね。

小学校で「前ならえ」を断固拒否した、ある意味これがルーツ

ここで、ちょっと今日のテーマっぽく、僕のルーツをお伝えしたいと思います。なんでこんな経歴を歩むむようになったか。これです。

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(会場笑)分かります?「前ならえ」です。小学校の時、とにかく前ならえがやりたくなかった。で、やらなかったら、職員室で凄い怒られるわけです。とうとう校長先生に親が呼び出されて…。その時に、父親が校長先生に向かって「この学校は軍事国家ですか?」って逆に怒ったんです(笑)この経験は凄く僕の中に残っていて。おかしいな?と思ったことを社会に表現したときに、否定されずに、父親が承認してくれた。これはとても大きかったですね。

あとは、これです。組体操。(会場笑)だって、絶対この一番下の人痛いですよ。痛がっている人の上に乗るってなんなの!?って。絶対おかしいと思っていた。だから、父親に頼んで、学校に組体操厳禁というのを直訴してもらいました。「人から決められたことは絶対やらなきゃいけない」という精神を植え付ける風土に、とても違和感を持っていましたね。

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社会のルールは暗黙知の積み重ね。ただの幻想である

当時感じていた違和感の正体が、のちのち言語化されていくわけですが、そのきっかけになった人が、僕の師匠の吉本隆明さん(よしもとばななさんの父親/哲学者・小説家)。この方はとてもおもしろい方で「弟子にして下さい!」と直訴しようものならパンチが飛んでくるような性格の持ち主で(笑)だから、いきなり話かけてみたんです。吉本さんの犬の散歩のタイミングを見計らって。執筆された本の感想と、独自の解釈をぶつけてみたところ、ご自身の意見にとてもこだわりのあるかたなので、「君のその解釈は違う!」って反応してくれたんですよね。そんなことが続き、「こいつ馬鹿だけど…馬鹿じゃないな…」という風に思ってくださって、親しくなりました。

吉本さんの仰っている言葉のなかで「共同幻想」という言葉があって。とても簡単にいうと、「みんながこうだ」と思っていることが積み上がって、社会の暗黙のルールなる、そういった幻想で世の中は成り立っている。ということを表している言葉なんですね。なので、自分がなにか社会に対して「これおかしい!」と感じた時に、それを「共同幻想=社会の暗黙のルール」で押しつぶすというのはとてもナンセンスなことなんです。

僕自身は、社会に対して「おかしい!」という意思を持つ人達に対して、それを頭ごなしに否定する社会は許さないぞ、という強い信念をもってきました。結局、人は自分が持っている価値観と違うことが起こると不安になるんですよね。まさに共同幻想に縛られているんです。そこに振り回されずに、「自分の志」を起点に物事をみていく、ということがとても大切だと思います。

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「違和感」に正直に生きる。これが原動力になる

複数回事業の立上げをやってきたので、友人に「なぜシリアルアントレプレナー(連続起業家)にならならなかったの?」と質問されることが多いのですけど、逆に僕は何故、連続起業家になること=良いこと なのかが分からない。これも共同幻想だと思います。スポーツの世界では、現役の時に世界レベルで活躍している人が、コーチになって後輩を育てる、という話はよくあることですよね。僕の周りにも、元世界チャンピオンだけど、5人くらいしかいないボクシングジムを経営していて、とても経営に苦労している人も沢山います。でも自分自身がタレントとかになって有名になるより、後輩に自分の経験を伝えて社会に恩返しをするという道を選んでいる。まさにペイ・フォワードの観点です。僕がシリアルアントレプレナーではなく、コーチを選んだのもこの感覚に近いと思います。

これからも、僕自身、違和感を日々押し殺す生き方ではなく、自分が持つ違和感に正直である人でいたいと思います。ただ違和感を持つだけでは意味がなくて。それをきちんと周囲に伝えていけるスキル(自己表出=主観的表現と指示表出=相手を意識した表現 のバランスを取ると言い方をするんですが)を磨くこと。発信するだけではなく行動に移す、自分が前線に立って、その違和感に向き合うということも大切です。応援したくなる起業家は、会話をしている間中、ずっとその事業のことや、自分が実現したい社会、解決したい問題のことを話しているんですよね。とにかく、そのことしか考えてないんです(笑)「想いと行動をセットにする」これが事業家として、とても重要な要素だと思います。

■編集後記

ビジネスの社会では「主観的」であることについて批判されるシーンが多くあります。「感情を交えて話すな、客観的な事実を話しなさい」「感覚ではなく、数字で伝えなさい」こういったアドバイスを受けたことがある方も多いのではないでしょうか。山口さんのお話をお伺いして「主観的であること」には、ビジネスをする上で大きなヒントが隠されているのではないか?と考えさせられました。
「これおかしい、こっちが正しいと思う」そう思った自分自身の「主観」に素直になり、それを突き詰めていく。その違和感を、解決するための行動を起こしていく、客観性を持って相手に伝え巻き込んでいく。これが【よい仕事をする】ということなのかもしれません。「自身の志を起点に物事を見ていく」ビジネスパーソンとして大切にしていきたい言葉と出会うことができた機会になりました。

irootsライターshima


―取材協力―
◎講演者:山口 高弘 氏
大学卒業後、野村総合研究所(NRI)にてビジネス・イノベーション室長としてコンサルティング業務に従事。専門はインキュベーション、デザインコンサルティング、イノベーション創出支援、ソーシャルイノベーション支援、ビジネスセクター・非営利セクターに対する事業創造支援。 近年の実績としては、アパレルメーカーの新ブランド開発(同種カテゴリで過去最高の売上を記録)、国内最大級C-Cプラットフォーム戦略アドバイザーなど。 内閣府「若者雇用戦略推進協議会」委員、産業革新機構「イノベーションデザインラボ」委員。高校卒業後(19歳)で不動産会社を起業し、3年後にバイアウトを実現。

◎講演イベント:iroots shibuya
iroots shibuyaは、irootsが主催する学生と社会人の交流会。それぞれが自分のルーツを語りあうことで、未来をより良くするためのきっかけにして欲しい。という想いで毎週火曜日@渋谷で開催されている。ゲスト講演30分+懇親会60分の2部構成にて実施中。

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