新卒社員が社会を変革する(前編)
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2017年06月20日更新
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新卒社員が社会を変革する(前編)

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気運高まる障がい者雇用と、生じる「ねじれ」に向き合え

都内一軒家に集まった20代の活気あふれる20代3人組。所属する会社は株式会社ゼネラルパートナーズ(以下GPと表記)という注目のソーシャルベンチャー。3人の新卒入社時期はそれぞれ4年前、1年前、そして2017年4月組とまだ日が浅いが、各々が社会課題解決のため、新規事業構築に取り組む。そんな3名の社会起業家にインタビューをしました。


※写真の左から順に田中さん(16新卒)真砂さん(14新卒)加藤さん(17新卒)

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障がい者雇用をめぐる「様々なねじれ」とは?

まずは、障がい者雇用をめぐってどのような社会的状況が生じているのか、企業と障がい者の立場から「様々なねじれ」についてインタビューしました。

―――「障がい者雇用」と聞いてもなかなか馴染みが薄く、イメージしづらいのが正直なところです。真砂さん(14卒入社)解説をお願いしてもいいでしょうか?

もちろんです。まずは、法定雇用率という言葉をご存知でしょうか。民間企業、国、地方公共団体において一定数以上の身体障害者、知的障害者を雇用することを義務付けている法律で、民間企業(従業員数50人以上)では2%の障がい者雇用が義務付けられています。これに違反してしまうと、障害者納付金をひと月5万円支払うことや企業名の公表を前提として適正実施勧告が行われることもあります。平成30年にはさらに引き上げようとする動きもあり、企業側は障がい者を積極的に雇用する気運が高まっています。

■■最新情報■■
法定雇用率について、厚生労働省は5月30日に2018年4月と2020年度末を目処に、一定水準まで引き上げることを発表した。
具体的には、2018年4月に2.2%まで、そして2020年度末までには2.3%まで引き上げる計画だ。現在企業で働く障がい者の数は2016年6月時点で約47万4千人に上り、13年連続で過去最高を更新している。


―――「法定雇用率」初めてお聞きしました。行政が障がい者雇用に力を強化しているということですね。

そうです、また法律以外にも、「ダイバーシティー」や「インクルージョン」と言った言葉も様々な場面で耳にするようになりました。 先日小池百合子都知事も「パラリンピックの成功なくして、2020年の成功なし。」と発言していましたね。つまり、企業だけでなく社会全体として障がい者を積極的に支援する気運が高まっていると言えると思います。

―――ありがとうございます。では、実際の障がい者雇用の現場とはどのようになっているのでしょうか?

そこが問題なんです。実際には企業側は障がい者をどのように雇用すれば良いか分からない側面があります。特に中小企業においてはその傾向が強い。そしてその結果として、障害者雇用のスタンダードとしては書類の仕分けやデータ入力などの一般事務と呼ばれる業務になっているのが現状ですね。

しかし、さらに問題は複雑化します。その一つは、障害者が抱えている障害の種類も度合いも様々であり、一律で「正解」があるわけではないという現実です。また企業側からすると納付金ひと月5万円支払う方が、障害者を雇用するよりも経済的には安く経営することができると考える企業もあり、障がい者側も、本当は自身のスキルを活かして多くの仕事ができるはずなのに、自身のキャリアに対して安住してしまっている方もいます。

―――障がい者一人一人の障がいの度合いも種類も異なる上に、社会全般として障がい者雇用を推進しようとしている、難しい課題が山積ということですね。

これまで、障害者雇用に関する「ねじれ」について解説しましたが、これでもまだ一部でしょう。これらの複雑化する課題にGPとしてどのように取り組んでいるのか、具体的な事業について紹介していきます。

障がい者アスリートは2020年が課題だ

―――真砂さんは「障害者スポーツ推進事業」の事業責任者ということで、まずはその事業内容と背景について教えてください。

なかなか、一言で説明することが難しいですね、、。

皆さんがイメージしやすいところで説明していきましょう。最近では、スポーツだけではなく、ビジネスなど多方面で活躍されているアスリートの方が出てきましたよね。「中田英寿さん」「本田選手」「長友選手」など。スポーツとビジネスを両立できる彼らの様なスポーツ選手も出てきているんですが、現実にはまだ一部なんです。想像してもらえればわかると思うんですが、もしも大学卒業してビジネスなど経験せず、すぐにスポーツの世界に入って10年後に「さあ仕事探してね!」と言われても難しいですよね。スポーツ選手を引退した後の「次のキャリア」を築き上げるのがなかなか難しいのです。

―――確かに。解説者や監督といったキャリアはイメージできますが、ほんのごく一部ですよね。

そうです。さらに障害者に関して言うと、その難しさに拍車がかかります。多くの企業が障がい者アスリートを雇用する場合、一概に全てではありませんが、「アスリート時代は契約社員で引退したら正社員」のルートを辿ることが多いのです。
障がい者アスリートが契約社員雇用となる要因は3点あげられます。

1.アスリートは練習しなければいけないので、練習時間を確保した勤務時間の配慮が必要である
2.大会が土日に多く、その前後の月曜日や金曜日ついては柔軟に休日を考慮する必要がある
3.遠征費や練習費など費用面での配慮が必要

この要因が重なると柔軟な雇用が可能な「契約社員」として練習中心の雇用がしやすくなります。そして、現役を引退すると、「正社員」となります。しかし、現役時代、練習中心でなかなか社内での本格的な仕事に従事していないアスリートは引退して正社員としても、現役時と同様に一般事務のような形で働く場合が多いのです。これってすごく、怖いなって僕は考えたんです。

決して一般事務が悪いと言う訳ではありませんが、スポーツ選手は引退してからが本格的職業人を始める方も多い。つまりキャリアを伸ばせる可能性はいくらでもあるのに、周囲も当人もその可能性を気づかない内に封じ込めてしまっていると思うのです。

さらに言うと、この問題は2020年に大きな山場を迎えると予想されています。この年はオリンピックと同様にパラリンピックも大きな注目を集めて開催されます。2020年を目指して日々練習をしている障がい者アスリートが大勢います、その方たちは実際オリンピック顔負けの練習量をこなしているまさにプロフェッショナルですし、パラリンピックではきっとご活躍されると思います。私もそれを応援できることを幸せに思ってますし、非常に楽しみです。しかしその後、パラリンピックが開催終了した時点で、同じく大勢の障がい者アスリート達がセカンドキャリアを考えるのです。私は本人も周囲もそれに対しての仕組みづくりや準備、心構えがあまりにもできていないと思っています。

そこで、当社の事業提案制度にて「障がい者アスリート支援事業」を提案したところ通過したんです。

―――ありがとうございます。とても分かりやすいです。実際、どんな支援が可能なのでしょうか。障害者アスリートへの支援って本当に難しそうに感じたのですが、、。

おっしゃる通りです、本当に難しいです。実は障害者アスリートの中で、セカンドキャリアを確立しているような「ロールモデル」自体が少ないことも現実です。私はその「ロールモデル」を一つ一つ丁寧に作り上げていくこと。そして仕組みを作っていくことです。もちろん困難な道ではありますが「今無いもの」を創造することが新規事業であり、社会を変えることだと思っています。だからこそ、2020年に向けた「仕組みづくり」「周囲の理解促進」「本人達の取り組み向上」に今から取り組んでいくのです。私は高い山だからこそ登ることに価値があると思っています。

私も「前例の無い」この取り組みに対して怯んでいませんし、ワクワクしながら取り組んでいます。理解者も増えています。この様なインタビューを通して1人でも多くの方が、現状を理解していただき皆でこの社会を解決していける様に取り組めたら最高だと思っております。是非ご意見やご協力をいただければ幸いです。

―――初めて知ることばかりだったのですが、丁寧にご説明いただいたのでよく理解できました。真砂さんありがとうございました。


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障がい者300万円の定説を覆す

―――続いては、「ハイクラス×障害者」の領域において、7月から新規事業を開始する田中さん(16卒入社)に話を伺っていきましょう。「ハイクラス×障害者」という考えに至った背景、事業概要についてお聞きしたいです。田中さんよろしくお願いします。

よろしくお願いします!では、まずは提案に至った背景についてお話ししますね。真砂と同じように、私も事業提案制度を通じて提案しました。きっかけは新卒1年目、法人営業からスタートして現場を見ていて、ふとしたきっかけでねじれ現象のようなものを見つけたのでやろうと思ってました。

―――ねじれ現象ですか。

はい。ある金融機関に勤める障がい者の(高橋さん仮名)とお会いしたのがきっかけです。高橋さんは新卒で身体障がい者枠で入社し、それ以来20年近く年収250万円で変わることなく仕事を継続していました。実際の業務内容をお聞きすると「レポート分析」や「投資分析」など、年収250万とは思えない実務内容だったのです。

―――なるほど、年収と実務の格差に「ねじれ」を感じたということですね?

その通りです。この実力も実績もある方の年収が新卒年収と変わらない。これはないなと。仕事なら成果に見合った報酬をもらってしかるべきだと思いました。それが健常者であろうと、障がい者であろうと同じです。成果は一緒なのに低い報酬という現状に私は納得できませんでした。そこで必死にその方の成果や実績をフラットに評価してもらえるように転職支援を実施しました。やがて高橋さんの実力を理解していただけるご縁に恵まれ、やがて前職から200%アップのオファーをいただけたのです。

実はこれが障がい者転職サポートでは割とめずらしかったのです。障がい者給与といえば年収300万円前後と言う、いわば定説があると聞きます。当人も周囲もそれが常識となっていたのです。もちろん年収300万円の求人を本当に必要としている障害者の方もいらっしゃいますし、それが業務内容に適応している場合も当然多いです。お伝えしたいのは「能力や成長を鑑みず、一律の枠に当てることはなくしていきましょう。」ということですね。

―――常に現場にて課題を見つめ、ビジネス目線での解決を試みる田中さんだからこその着想ですね。具体的に7月以降、どのような計画で事業を進めていこうとしているのかお聞きしてもいいですか?

基本的には、どれだけ既存の人材紹介事業のスキームを変えることなく、新たなターゲットを確保できるかを念頭に動いていきたいと思っています。というのも、僕1人で成果を上げることがゴールではなく、会社として、仕組みとして「障害者のハイキャリア転職はできる!」という事実を世の中に浸透させて、社会を変えていくことが真のゴールだからです。

そのために、まずは「ターゲットとなる人材/企業はどこにいるのか」「障害者雇用と銘打った枠で、あえてハイクラスの転職をするインセンティブは何があるのか」そんな要素を見つけていかねばなりません。「障害者のハイキャリア転職」という業界自体を大きく変革する高い目標を掲げているからこそ、一歩一歩現場から課題解決に取り組んでいきたいと思います。

―――田中さんの、障害者雇用に対する強い思いと事業に対する気持ち、とても伝わりました。本当にありがとうございます。

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