未来志向な夢との付き合い方:金谷武明
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2017年11月07日更新
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未来志向な夢との付き合い方:金谷武明

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2度の就活失敗。それでも就活準備はしなかった。

——以下、金谷武明氏

皆さん、こんばんは。実はこの一週間ほど体調を崩していまして、あまり喉の調子は良くないのが申し訳ないんですけども、今日は大変楽しみにしてまいりました。僕は決してみなさんに色々話せるような経歴ではないんですが、無職になったり色々な経験はしているので、しくじり先生ではないですが、カジュアルな形でお話できればと思います。本日はよろしくお願いします。(会場拍手)

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まずは学生時代。はっきり言って、バンドをやるつもりで進学したのですが、90年代に入って音楽のトレンドが変わってしまって、音楽を中断してしまったんですよね。僕は割りと古臭いロックンロールが好きだったんですが、今の時代にあわないかな、とか考えてしまって。今思うと全然そんなこと気にしないで自分のやりたい音楽をやればいいと思うんですけどね。結局大学時代は1年生の頃に少しコピーバンドをやったくらいでバンド活動はやりませんでした。作曲だけ細々としていましたけど。

そのあと本当に何もやらなくて、皆さんと同じように就活の時期を迎えました。実は就活を2回しているんですよね。1回目はバブルが崩壊したタイミングでもあったんだけど、どこにも内定がもらえなくて。そもそも僕自身が社会に出て働くことが全然イメージできなかったので仕方ないですよね。結局留年して、二回目の就活。今思うと自分でも驚くほど準備しなかったんです(会場笑)実は、興味を持っていた音楽の方でも自分がどんな音楽をしたいのかまだ迷っていて結局心の中は音楽でいっぱいだったんですよねw音楽をしたいけど、どんな音楽が良いか分からない。就活してるのに、仕事に興味が持てない。かなり堕落した就活生です(笑)

夢と現実で悩むなら「夢」を目指して

そんな就活生だった僕だからこそ伝えたい3つのメッセージがあります。
いきなりですが、今日一番伝えたかったことです。

1.人生に失敗はない。
2.他人と比べない。
3.未来は過去の積み重ねじゃない。

先ほどお伝えしたように、僕は二回就活に失敗しています。ですが、そのことで自分を過剰に責めなかった。基本ポジティブなんでしょうね(笑)確かに、就活で内定をもらえないことは辛いけど、それは社会に必要とされていないことではない。単に、内定がもらえなかったってだけだから。「俺、就活に向いてなかったんだなって。」僕はそれくらいに考えていました。結果、自分自身のメンタルを守れたとは思いますね。

それから、他人と比べないこと。他人と比べ始めると、キリがないから。「誰々は誰々よりモテる」とか「人気がある」とか「デキる」とか気にし始めるとキリがないので。どんどんネガティブになってしまうだけで絶対に幸せにはなれないですよね。自分が何に興味あるのか、自分のやりたいことは何なのか、他人ではなく自分の価値観で決めるように。

そして、未来は過去の積み重ねではない。これは少しニュアンスが難しいんだけど、要は常にポジティブに未来を創っていくことが大事だということです。地道な積み重ねはもちろん否定しないけど、それだけだと過去に積み上げたものが崩れた瞬間に全てを失った気持ちになってしまう危うさがあるんです。未来志向で考えると、「今」何かが崩れたとしても未来の自分には関係ないかもしれない。過去の積み重ねを気にする人は過去にとらわれて目の前に急にできた新しい道に気付かなくなってしまうんですよね。

ちなみに、皆さんの中でもし、夢と現実で悩んでいる学生さんがいたとしたら、僕は夢を目指す背中を押したいと思います。やっぱり、やらなかった後悔は一生引きずるので。自分も二十代の時にバンド活動をしていた時に色んなことを学びました。

バンドメンバーとコミュニケーションとる方法とか、全体の進捗をディレクションする能力とか、サイトを制作するスキルやネットでプロモーションするノウハウも。他にもいろいろ。現在の仕事ではプロジェクトマネジメントと呼ばれる基礎部分はバンドをしてたからこそ身に付いたのだと思います。これが単に演奏することだけが好きで楽器の練習だけをしていたのでは身につかなかったと思いますね。なので、自分がやりたいと思える夢を実現することにに全力で取り組んでください。

この3つのメッセージは僕が体現している大事なメッセージです。是非、心に留めておいてください。それでは次に、僕が学生生活を終了してからどのようにキャリアを歩んでいったのかお話ししていきます。

「夢」はインターネットを真のインフラにすること

では、僕自身のキャリアの話に戻しましょう。

就活に二度失敗してからは、地元の会社に入りました。しかし、全然合わなくて、、。一生懸命働くつもりで入ったんですけど、それも叶う環境ではなく結局3か月で辞めてしまいました。それから一ヶ月間の無職の期間を経て、特許事務所に入りました。そこでの仕事はいわゆる事務的な仕事がメインだったんですけど、7年くらい続けていたのかな。なかなか楽しかったなと思っています。仕事の傍ら、趣味としてバンド活動を始めたのも、その時期です。同時に、動画制作とかHP作成とか動画編集とかそんなこともしていたなー。ちょうど、インターネットが普及し始めた時代だったので、その可能性に魅せられました。

同時に、音楽に対する興味を持ったのも学生時代の頃ですね。PPAPが世界的に大流行したのも、たまたまSNSでジャスティン・ビーバーが面白いってシェアしたことがきっかけなわけで。同じようなことを学生時代、僕も考えていました。「ミックジャガーが僕の音楽を聴いてくれるかもしれない。」世界中に僕が作った音楽が広がる可能性があること、当時は勿論Youtubeとかなかったんだけど、そんな可能性を感じていましたね。まぁ、ミックジャガーが僕の音楽を聞くことはなかったんですけどね(笑)

この後、また詳しくお話しますがデバイスの変化やテクノロジーの変化は自分なりに妄想するというか、イメージを膨らませる能力って大事だと思います。ネットの世界に行く人も、行かない人も、その世界観というか、可能性は理解しておいたほうがいいと思います。特に、ネットの世界に行かない人こそ知っていた方が良いと思いますよ。話を戻しますと、ホームページの制作も、動画の制作も、全部趣味として行っていたんだけど、その時に漠然と、クリエイターとか何かを作っている人に対して憧れを持つようになりました。そんなクリエイターへの気持ちを持っていたので、音楽で生きて行くのは難しそうだなあと受け入れたときにクリエイターになろうと思いました。

ところが30歳、未経験、多分出来ます!ではどこも雇ってくれません。そこで、クリエイターになれる可能性のある会社に入り、社内異動でクリエイターになろうという戦略を考えました。そして実際にゲーム会社の法務部特許課に入りました。そして、その後ウェブの制作を担当している部署に異動することができました。その時32歳、ここでようやくインターネットが仕事になるんです。そこで3年間くらいサイトの制作やプロモーションを経験してから、今いるGoogleに入社しました。最初は広告の部門に配属されて、その後、検索の部門に異動しました。ざっとこんな感じですね。

その後はGoogleで仕事をしながら、慶應の大学院にも行ったりしましたね。あの時は、朝大学に行って昼から出社して夜まで働いた後は、夜中に課題をこなす。周りの大学生に理解と協力してもらいながら、なんとか大学院も仕事も両立していました。

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Googleに入社して10年になります。入った頃は「3年くらいで辞めるんだろうな」と思ってましたけどね(笑)今はGoogleでまだまだやりたいことがあるから、ここで働いていたいと思っています。やりたいこととは何か。それはインターネットで多くの人をハッピーににすることです。個人的には今のインターネットってまだまだその可能性を発揮できていないと思ってるんですね。

皆さんは日頃当たり前のようにネットを使って情報収集しているでしょうけど、それは意外と限られたことなんです。確かに、整ってきてはいるけども実際に機能しているのは都市部の限られた地域のみ。地方とかではまだ役に立てていないのが現状です。また、これからさらに増加していくシニア世代の人にとっては全然使ってないという方もたくさんいらっしゃいますよね。インターネットってもっと人をハッピーにできるツールだと思うんですよね。だからこそ全ての人がインターネットをインフラとして活用するためにはあと何が必要なのか考えて率先して変革していこうと思います。

「夢」に「未来志向」を掛け合わせる

皆さんが自分の夢のことを考える時にも「未来思考」が大事だと思います。僕が物心ついた頃から、革命的なことが4回は起きていると思います。パソコンが登場し、一般の家庭にパソコンが普及し始め、1995年にはインターネットが登場し、世界中の情報が繋がり始めた。2010年頃にはスマートフォンが登場し、急速に普及し、皆さんが普段使用しているデバイスも大きく変化したでしょう。そして今はAIによってまた大きく世の中が変わろうとしています。世の中のプラットフォームだったり、デバイスだったりトレンドもどんどん変わっていきます。

このような時代は不安もあると思いますが、同時にチャンスでもあると思います。AIの技術は業界問わず、様々な利用が始まっています。これはもう現実問題で、避けられないことです。金融業界でも人材業界でも、すでに様々な業界で使われ始めています。これらは、すでに起きている事象なので、これからもどんどん世の中を変えていくと思います。こんな時代に10年後20年後、未来がどうなるかなんて具体的には想像もつかないものなので、大切なのは、自分がやりたい事、実現したい未来に向かって、一歩踏み出すことです。

できれば成長分野がいいですが、それもまた何がどうなるかわからないですからね。学生時代の僕のように考えすぎて何もしないのではなく、とにかく自分の好奇心に従って一歩踏み出すこと。未来はわからないから面白いのです。色んな話をさせてもらいました。そろそろ、皆さんとももっと個別にお話したいので、終了しますね。長い時間、聞いてくれてありがとうございました。(会場拍手)

■編集後記

irootsにて長期インターンをしている大学4年のkaiです。僕自身、就活を経て自分の進路に悩んでいる、そんな状況で金谷さんの話をお聞きしました。就活をしていると、自分でも気付かないうちに視野が狭まってしまう感覚が、僕にはありました。どの会社が自分に合うのか、石橋を叩くように、最適解を探すような意識になっていました。勿論、自分の進路は非常に重要です。だからこそ、多くの選択肢に頭を抱えている学生も多いと思うのですが、そんな学生にこそ「前向きに進路を選び取って欲しい」と僕は思います。

金谷さんのお話を聞いていて、僕はスタンフォード大学名誉教授のフィリップ・ジンバルドの提唱する「時間志向」の話を思い出しました。「時間志向」とは、個人が持つ時間感覚への認識の違いのことです。その時間志向の種類によって個人の心理や行動が変わることをジンバルドは科学的に証明しました。ジンバルドは人の持つ時間志向には5種類あるといいます。過去肯定型、過去否定型、現在快楽型、現在宿命論型、未来志向型の5つです。詳細の説明はここでは省きますが、筆者は過去肯定型と現在快楽型、そして未来志向型の3つをバランス良く組み合わせることが重要だと述べています。

金谷さんのお話を聞いていて、率直に感じたのが「なんて未来志向の強い人なんだ!!!」という印象です。金谷さんの意識は常に先にあります。次に自分は何がしたいのか、次に世の中ではどんな変化が起きるのか、だから今何をすべきなのか。常に明快に考えている姿勢が強く印象に残っています。
未来を常に自分で選択していくそんな金谷さんの姿勢を僕自身見習っていきたいと強く感じました。

iroots intern kai


◎講演イベント:iroots shibuya
iroots shibuyaは、irootsが主催する学生と社会人の交流会。それぞれが自分のルーツを語りあうことで、未来をより良くするためのきっかけにして欲しい。という想いで毎週火曜日@渋谷で開催されている。ゲスト講演30分+懇親会60分の2部構成にて実施中。

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