日本IBM(アイ・ビー・エム)株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事

世界最大級の戦略コンサルティング部門を擁し、有数のリーディング・カンパニーとしてIT業界を牽引。コグニティブ・ソリューションとクラウド・プラットフォームを提供する情報処理業界の日本IBMに関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。
下記４つのトピックに分けてご紹介します。

◆ TOPIC
• 年平均成長率54.4％！AIシステム市場の動向
• AIブームの象徴、テクノロジー・プラットフォーム「IBM Watson」
• 人気でうれしい悲鳴！「Watson」とともに歩む成長戦略とは？
• 日本IBMの戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

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IT専門調査会社 IDC Japan は、IoTとコグニティブ、いわゆる「人工知能」や「AI」と呼ばれる2つの技術を活用した用途を見極め、両者の組み合わせで創出される価値を調査。それによると、企業がデジタルビジネス変革をする際、「収集可能なデータの最大化」と、その中での「有効活用可能なデータの最大化」という、2つの取り組みが必要とされることがわかりました。

全世界で生成されるデータの中でも、データ量の大きさでは「非IoTデータ」が多くを占めるものの、データ量の成長性という点では「IoTデータ」が非IoTデータの倍のスピードで成長しており、「収集可能なデータの最大化」をけん引するのはIoTであるとの見解。一方、IoTデータ／非IoTデータの双方において、「有効活用可能なデータの最大化」をけん引する役割を果たすのがコグニティブになるとの見方をしめしています。

近年、IoTとコグニティブを組み合わせたケースが出始めており、例えば、製造業における品質改善や製造機械の故障予兆検知、小売業における店舗内での販売促進、運輸業におけるフリート管理や輸送貨物管理などが挙げられ、今後もさまざまな産業でその必要性が高まっていくことでしょう。


一方、世界に目を向けてみると、コグニティブシステム、人工知能システムに対する支出は2017年に125億ドルに達し、前年比59.3％増加と急成長。こうしたAIシステムの市場規模は2020年までに年平均成長率54.4％で推移し、売上高が460億ドルを超えると予測されています。

事例としては、品質管理検証とレコメンデーション、診断と治療、顧客サービス自動化、セキュリティ、不正調査など。これらが、2017年のAIシステムへの支出の約半分を占めているそう。また、2015〜2020年の間で最も成長が予想されるのは公安と緊急対応、製薬研究開発だそうです。最大の市場は米国で、2017年のAIへの支出額は97億ドル、次いで、欧州、中東、アフリカ、そして2020年までに、アジア太平洋が2番目になるとIDCでは見ているようです。
2015年10月に「コグニティブの時代」の到来を提唱して以来、コグニティブ・ビジネスを牽引するIBM。これまでにない規模で学習し、目的を持って推論し、人と自然にかかわり合うことが可能なシステム「コグニティブ・コンピューティング」の力で、ビジネス、産業、そして世界が大きく変わるというビジョンを打ち出しています。

コスト削減、トレンドの把握、プロセスの効率化、商品開発の迅速化、資源の節約、病気の早期発見など、コグニティブ・ビジネスのプラットフォーム 「Watson」は、すでに世界のいたるところで活躍中。たとえば、ガン患者一人ひとりに最適な治療法の選定、22億カ所にある気象センサーのデータを活用した自然災害の予測、CO2の排出量の削減など、ビジネスや暮らしのさまざまな変革への取り組みをサポートしています。

日本では、2017年6月17日に創立80周年を迎えた日本IBMが、「Watson」を活用した新しいアプリケーションの開発に利用できる6種類のコグニティブ･サービスの日本語版APIの提供を開始。これにより、開発者は「Watson」のサービスを組み込んだアプリケーションを日本語で開発することが可能になり、さまざまなビジネスに活用できるようになりました。

一方で、さらに便利になった「Watson」は需要が急激に高まっているため、「Watson」がスピード感を持って提供できていない、社内のコミュニケーションに時間がかかっているという事態が起きているようで、現状における同社の弱みと言えそうです。

日本IBMは2017年4月26日、「Watson」をテーマしたカンファレンス「IBM Watson Summit 2017」を開催。代表取締役社長のElly Keinan氏によると、「Watson」はテレビ