実家は老舗味噌屋。その後継者がレシピ動画「kurashiru」で有名なdelyで全社MVPを取った秘訣とは?|新田慶秋
コラム

イベントレポート

2018年04月02日更新
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実家は老舗味噌屋。その後継者がレシピ動画「kurashiru」で有名なdelyで全社MVPを取った秘訣とは?|新田慶秋

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レシピ動画kurashiruで一躍有名となったdely。Facebook、Instagram、Twitter、YouTubeで合わせたファンは272万人を超え、月間の総再生数も1億7000万と日本の動画メディアの中でもトップクラスの再生数を誇るメディアとなっています。また、今年の1月には追加で33.5億を調達し、累計約70億円もの資金調達をしています。

サービス開始からわずか2年ほどでなぜこれほどにまで成長したのか。その中で全社MVPを獲得したキーパーソンの一人である新田さんとはどのような人なのか。その真相に迫っていきます。


TOPICS
・たった1年で組織が倍増!急成長中のdelyとは?
・代表自ら車の運転手をやっていた。~泥臭い創業期~
・愛のある組織を作りたい~delyのバリュー~
・就活失敗し、修行のため長期インターンに
・編集後記


――以下、新田慶秋氏

こんばんは。新田と申します。今kurashiruというレシピ動画メディアを運営しているdelyという企業の人事をやっております。この中でkurashiru知っている方いらっしゃいますか?



―――学生全員手を挙げる

ありがとうございます。とても嬉しいですね。

今日は自分の紹介と、こんな感じの会社ですという紹介をしたいと思っています。できるだけフラットな立場で、皆さんとお話しできればいいなと思います。

簡単に自己紹介なんですけど、delyという会社で人事・採用を主に行っています。長野県出身で、実家が創業から160年くらい続いている現在6代目の味噌屋です。性格はあまり人前は得意ではないのに目立ちたがり、というややこしい性格をしています(笑)

青山学院大学を卒業して、2011年の時に新卒で起業支援・中小の経営支援をしている株式会社ビジネスバンクグループという会社に入社しまして、取締役などもやらせていただきながら、6年半ほど勤務してから退職しました。その際は、実家の味噌屋を継ごうと考えていたのですが、delyに入社することに決めました。この経緯も後ほどお話できればと思います。

たった1年で組織が倍増!急成長中のdelyとは?





次にdelyという会社を簡単に説明したいと思います。delyは「kurashiru」というレシピ動画サービスを運営しています。創業当時はまったく別の事業をしていましたが、1年半ほど前に事業を変更してkurashiruを始めました。kurashiruのアプリは2016年の5月にiOS版を公開したのですが、2017年の12月で1,000万ダウンロードを突破しています。また、AppstoreやGoogle playのレビュー数も多く、かなり評価していただけているサービスに成長してきました。

代表の堀江裕介は慶應大学を中退してdelyを立ち上げました。最近ではMr.サンデーさんをはじめ、さまざまなテレビ番組にも取り上げていただいています。今堀江は25歳なんですけど、21歳の時にdelyを創業したので、まさに今の皆さんが起業したという感じになりますか。従業員は社員・アルバイト含め、全員で150人ほど、平均年齢も27歳と若く、僕は今年29歳になったんですが、29歳でも社内ではベテラン、という感じですね。

代表自ら車の運転手をやっていた。~泥臭い創業期~





delyの歴史をお話したいんですけど、まさにここ渋谷で生まれています。当初は渋谷の道玄坂にあるベンチャーのオフィスを間借りしてスタートしました。

delyは、当初Food Deliveryのサービスでスタートしました。UberEatsさんみたいなモデルで、出前機能を持っていない飲食店さんに宅配機能を提供して、その手数料をいただくというビジネスです。当初は代表の堀江が自ら宅配をしていたりもしましたが、やってみて相当な資金規模が必要なビジネスということが分かり、苦慮しながらもクローズすることになりました。


当時20人ほどいたメンバーも、現CTOの大竹を残して全員辞めてしまい、かなり苦しい時期が続いたと聞いています。経営陣はそういった困難からから這い上がってきており、ベンチャーの一番泥臭いところも経験しています。

それから、様々なビジネスモデルを試していたのですが、ある日、堀江が急にビデオカメラを持ってきて「これからは動画だ!動画をやろう!」と言い出し、料理動画が始まりました。最初は撮影用のカメラもなく、iPhoneで撮影して、料理動画をつくってアップしていました。あんまりクオリティの高くない動画だったそうですが(笑)意外なことにユーザーから反響があり、「これだ!」と。光が見えたらしいです。それで動画に一気に振り切ろうということで、一気に資金調達をし、拡大させていきました。

ここから人員も増え、2016年の夏の前に1億調達してオフィスを五反田に移転しました。料理動画を始めた当時、従業員5人とかだったらしいんですけれども、そこから料理人や動画制作のプロも採用して一気に人員が増加しました。


解散危機だったどん底から料理動画というジャンルの草分け的な存在になり、そこからどんどん資本を投下して成長していき、まさに「不死鳥」みたいですよね(笑)そのくらい劇的なストーリーだと思います。そこから木村文乃さんをイメージキャラクターに登用して、2017年の春にはCMを打つようになって知名度も全国的なものになっていきました。みなさんご存知ですかね。


愛のある組織を作りたい~delyのバリュー~


ここまでがdelyのストーリーなんですけど、次にdelyが大切にしているビジョンやバリューをお伝えしたいと思います。




僕らのビジョンは”BE THE SUN

太陽のように明るく社会を照らすような会社を目指していて、あとは太陽の周りに地球がありいろんな生命が生まれていると思うんですけど、そんな感じでボコボコ新しいものを生み出していきたいと考えています。今はレシピ動画を展開していますが、料理好きな人ももちろんいる一方で、「事業をやりたい」「将来会社を経営したい」「新しいことしたい」そういう人が集まる会社にしたいなというのもあります。つまり、kurashiruだけじゃなく新しい事業をどんどん作れるような事業会社にしていきたいと考えていますね。

そしてバリューが三つあるんですけど、バリューとは組織が大事にしている価値観のことです。

まず「Light」・・・明るく元気な会社、人間を作る。社会を楽しく。
次が「Ambitious」・・・野心を持とうということです。
そして「Big」・・・器の大きい人間、規模のある会社になろうということです。

この頭文字をとってLAB。愛のある組織を作ろうということです。ちょっと恥ずかしいんですけど、青臭いことを大事にしたいなと思っていて、そういう少年漫画感を大事にしている社風なんだというのをわかっていただければと思います。

就活失敗し、修行のため長期インターンに





僕自身の話に戻します。僕のこれまでのキャリアは一番冒頭にお話しした長野の味噌屋で生まれ育ち、大学は渋谷の青山学院大学に通っていました。

大学時代は意識低めで、まったく勉強せずにサークルの仲間たちと遊んでばかりいました。実家が経営をやっているので、あとを継げばいいと気楽に考えていて、まったく何もしていなかったですね。そんな感じで就活も最初は適当で大丈夫かーと思っていたんですけど、一回就活すると火がついてしまって、名のある大手企業を上から順番で受けていきました。でも全部落ちてしまって、「就活すらうまくいかない状態で、実家継いだらやばい・・・というか、実家潰すんじゃね?」と、大学4年生にしてようやく危機感を覚えました。

そこで就職浪人して大学4年の夏からはベンチャーで半年ほど、週5で通いつつ土日も仕事をするインターンをするようになってひたすら修行をしました。それが新卒で入社するビジネスバンクグループでした。寝る間も惜しんで働き、それなりに評価もいただいたので「1年目から新規事業の立ち上げをやりませんか」というオファーをいただき、正式に社員として入社をしました。また、ありがたいことに25歳くらいのときに役員にならせていただきました。





ビジネスバンクは起業家支援をしている会社で、「日本の開業率10%に引き上げます!」というのがミッションでした。日本の開業率って3~5パーセントと言われているんですれども、アメリカや中国10%、イタリアが8%と、日本は低いんですよね。 実家が中小企業なので、問題意識を持っていて。起業家を応援するというのは自分の将来のためにもなるので、色々支援をしてみたいと思って入社しました。

そして学生向けの1,000人規模のイベントを堀江さんとか家入さんなどの有名な方を呼んでやっていました。大学生と一緒に起業のことを考えようとやっていました。後ろの三島さん(irootsShibuya運営責任者)もスタッフでやってもらっていました。





なんで役員やめてdelyに入ったのかというと理由はシンプルで、成長角度が急なところで一回仕事してみたいなと思ったからです。僕がもし仮に会社を作るんだったら、おそらく小さな会社で、ポジションを区切って、ブランディングをしまくる経営をすると思うんですよね。例えば味噌だったら長野県産にひたすらこだわるとか、日本酒の「獺祭」みたいに日本酒造りをデータ化したりとか。ユニークさを磨いていくのが王道だと思っています。

そうではなくて、最初は赤字を掘って、広告とか人材に投資してマスを狙って、後から大きく回収していくモデルを経験してみたかった。つま先立ちどころじゃない成長ってどんな感じなんだろうと思って。経営の振れ幅が大きい方がいいと思っていて、そのためにdelyで全力を尽くすことによって多くの経験をしてみたいと思ったんですね。



――以下質問

---社内で全部動画作られているんですか?

はい。外注は一切しないで社内で月1000~1200本料理動画を配信していますね。毎日30から50本くらい料理人さんがスタジオで実際に作っています。Slackっていうビジネスチャットがあるんですけど、料理ができるとSlackのfood Anounceっていうチャネルに「できました!」っていう報告が料理人さんから来るんですね。そうすると美味しい料理を試食するために、社員が飛んでやってくるんですよ。美味しくて健康的な料理がたくさん食べられること、それがdelyにとって最高の福利厚生だと思ってます。

料理人の方にとっては、自分の料理が動画になって配信されるのが楽しいという声を聞きます。元々料理教室の講師をやっていた方もいらっしゃるのですが、料理教室だと目の前の10人くらいにしか自分の料理を伝えることができません。一方でkurashiruだと数十万回再生されることもありますから。


---どのくらいの規模感の時に入社したんですか?

2017年の4月に入りました。ですから、ちょうど1年ほど前ですね。そのときは社員が30人弱くらいの時でした。


---そこと今の違いって何かありますか?

取締役の一人に柴田という者がいます。当時、彼が営業、広報、人事、コンテンツ、アルバイトのマネジメントなどあらゆる業務を回していました。僕が入社した時、人事専任で仕事をするのかなと思っていたら、コンテンツ業務も丸ごと渡されて「おお!?」となりました。今は人員が増えて専門性を持った人が増え、業務も細分化されていますが、当初は兼任が当たり前で、僕もコンテンツを見ながら人事やったりとか、無茶も多かったなと思います。ただ、当時のカオス感、めちゃくちゃ感は面白かったですね。kurashiruが立ち上がった当時はもっとぐちゃぐちゃで、もっと面白かったと思いますよ。


---前の会社と一番違うところはどこですか。

delyでは、堀江と一番最初に話した時に「時価総額1000億が通過点」と言っていたんですよ。代表は当然そういうこというかもしれないですけど、インターンとか入社したばかりの若手も「1000億はいけるの当たり前ですよ」という感じで仕事をしていたのがすごく衝撃的でした。本当にメンバーの隅々まで、腹が決まって高いところを目指している感じが、ワクワクしましたね。僕はすごく仕事が好きなので、仲間と仕事を通して高みを追求し続けていくという環境は素晴らしいなと。


---前職で最年少で役員になったり、今delyで全社MVPを取られた理由ってご自身だとどのように考えられていますか?

僕の中で一つ大事にしているのが守破離という茶道の考え方です。まず、家元からの教えを忠実にやってその後に自分のスタイルを築いていくということを大事にしています。それはdelyでも同じですね。まず基礎を徹底して積み上げていって、それから自分の色にしていくという物事の順番ですね。

また、前の会社のクレドにあったものが「雪が降っても自分の責任」という自責の思考でした。その考えは今でも生きていますね。自己責任だと思うようにすると、いい訳をすることがなくなるし、失敗から学んでどんどん成長することができるんですよね。結果として、信頼をされるようになったのかなと思います。

あとは、組織で起きる課題って、従業員目線だとよくないなと思っていて。例えば給与が安いからあげてくれっていうのは従業員目線で言っていると思うんですよね。そうじゃなくて、なんで安いのか、どうやったら上げられるのかを考えることが重要だし、そのために何ができるかを模索するようにしています。どんな環境でも、経営者目線で組織の課題を認識するのがすごく大事かなと思います。

編集後記



新田 慶秋氏様と学生達


柔らかな姿勢で学生とお話されていた姿がとても印象的でした。一方、仕事に対しての責任感が非常に高く、「守破離」を大事にする姿勢、常に自責思考経営者目線を持つことを大事にしているとお話されていて、そういった姿勢が前職での役員昇格やdelyでのMVP獲得に繋がったのだと感じました。

勢いがある企業は社長はもちろんのこと、社員全員がビジョンや目標に向かって一丸となって取り組んでいます。そのため、ビジョン、組織文化の浸透が極めて重要であり、そこに直接関わる人事という仕事は、難しさがあると同時に、非常にやりがいのある仕事ではないかと感じました。そして、新田さんがいるからこそ今のdelyがあるのだとも感じました。企業だけではなく、学生団体やサークルにおいても、常に「組織の根幹に関わっている」という意識を全員が持つことが組織をよりよくしていく秘訣ではないでしょうか。

―取材協力―
◎講演者:新田 慶秋氏
dely㈱人事・採用・経営企画 インターンから新卒で中小企業経営支援・起業家支援を行う㈱ビジネスバンクグループに入社。HR事業の立ち上げ等を経験。新卒入社4年目で最年少で取締役に就任。2017年4月からレシピ動画サービス クラシル を運営するdely株式会社に人事第一号としてジョイン。実家は長野で6代続く味噌屋。

◎講演イベント:iroots shibuya
iroots shibuyaは、irootsが主催する学生と社会人の交流会。それぞれが自分のルーツを語りあうことで、未来をより良くするためのきっかけにして欲しい。という想いで毎週火曜日@渋谷で開催されている。ゲスト講演30分+懇親会60分の2部構成にて実施中。

irootsShibuyaのイベントに参加したい方はこちらへ


―この記事を書いた人―
小林 良輔
iroots インターン
早稲田大学商学部在学中。日系企業・タイ企業のビジネスマッチングサイト、子育てメディアのインターンを経てiroots編集部へ。irootsでは主に企画、マーケティング、記事作成を担当。趣味は散歩。

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