教育業界の「これだけは押さえておくべき」最低限の知識│就活研究記事
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2020年01月30日更新
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「教育を通じて素晴らしい人材を育て社会に貢献したい」、「子どもが好きで教育に関わる職業に就きたい」、などと考える就活生が関心を持っている教育業界。最近はインターネットの普及にともない、子どもの学習スタイルが大きく変化しており、チャレンジングな職場環境になっていきそうな業界です。

今回は、そんな教育業界に興味を持つ就活中の皆さんに、教育業界の歴史から、業界概要、市場規模、最近の動向のほか、気になる年収や同業界に向く人物像などを紹介します。


教育サービスの中核ビジネス、学習塾の歴史



今や学生のライフスタイルの1つとして定着した学習塾が、脚光を浴びるようになったのは1960年代の頃から。戦後のベビーブーマーたちが中学や高校の受験を迎えた時代です。「第一次塾ブーム」と呼ばれ、当時は学校の成績を上げるための補習中心の学習塾が一般的でした。

1970年代になると高校・大学への進学率が上昇し、受験対策に特化する「進学塾」も登場。また、個人経営の私塾に代わり、企業型やフランチャイズ運営による塾などが生まれ、「第二次塾ブーム」が到来しました。

1980~1990年代になると、都市部における私立校人気の高まりにともない、塾はますます増加し、さらなる塾ブームを引き起こしました。私立有名校受験で高い合格実績を誇る進学塾は、学生らの信頼を得て大規模塾へと成長を遂げます。


1997年、日本は少子社会に突入。塾生の獲得競争が激化し、少子化傾向に逆行して増え続ける学習塾業界が形成されました。また、中小規模の塾が倒産し、大手進学塾のシェアが拡大していきました。

現在は、大学進学が一般化するも、「大学に行きさえすれば将来は安泰」という考えはなくなりつつあります。様々な職業に就く人が増え、生徒一人ひとりを主体としたカリキュラムの要求に応えていかざるを得なくなり、学習塾では「個別指導」が採用され始めています。


さらに、教育現場では、タブレット端末やPC、スマートフォンを使用したデジタル教材、AI(人工知能)等の最新デジタル技術を活用した教材の導入が進み、今後もさらなる改革が続くと見られ、その動向が注目される業界です。


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幼児教育から学習塾、ICT教育まで。多様な「進学向け」教育サービス業界



教育業界は、幼稚園、小学校、中学校、高等学校といった公の教育機関よりも、就学期の子どもを対象とした学習塾や予備校、英会話教室、通信教育などを提供する、民間企業が参入している業界のことを指す場合がほとんどです。

また、同業界は、学童教育(幼児教育、進学・学習塾、通信教育・家庭教師など)と生涯教育(資格取得、語学など)というように大きく2つに分類することができます。

ここでは、進学向けのサービスを提供する企業名を紹介しましょう。

教育業界の主な企業:
ベネッセホールディングス学研ホールディングス公文教育研究会リソー教育早稲田アカデミー明光ネットワークジャパン東京個別指導学院、 Z会、 栄光ナガセなど


近年、学習塾・予備校市場では他社との合併や提携が活発化していますが、その理由の1つは、より早い時点で生徒を取り込むためです。例えば、大学受験向けの予備校が、中学・小学生向けの学習塾などを買収することで、長期にわたる自社教育サービスの提供を可能にします。

最近は、オンラインでの遠隔授業をはじめ、ITC(Information and Communication Technologyの略。情報通信技術)活用による学習効率を高める試みやAI教材なども積極的に利用されており、この分野を得意とするスタートアップとの業務提携を行う塾もでてきています。


教育業界の常識を覆す話題のスクール

2016年4月開校の"ネットの高校"と言えば、学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校。「IT×グローバル社会を生き抜く"創造力"を身につけ、世界で活躍する人材を育成する」という理念を掲げ、ネット社会に対応した新しい教育を実践しています。生徒数は10,944名(2019年8月時点)。

授業やレポート提出をネットで行うのはもちろん、高校卒業資格のための必修授業の他に、大学受験やプログラミング、ライトノベル、ゲーム、ファッション、美容など多種多様なネットでの課外授業や、全国各地での職業体験により、社会で役立つスキルや経験を高校時代に身につけられるカリキュラムが特徴です。


■第4期生を迎える「平成31年度 N高等学校 バーチャル入学式」


出典: 新入生も登壇者も3Dになって参加する新感覚入学式「N高等学校 バーチャル入学式」を本格的VRシアターの新宿バルト9で初開催|学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校のプレスリリース

また、米国で話題なのが「AltSchool(オルトスクール)」という学校です。Facebookのザッカーバーグ氏をはじめ、IT界の大物が続々と経済的支援を行ったと言われています。

同校はテクノロジーを活用し、パーソナライズされた教育サービス「アダプティブ・ラーニング」(学習者一人ひとりの理解度に応じ、学習レベルを調整して提供する仕組み)を行っていることでも注目されています。

アプリなどで先生・生徒・保護者に対して「情報の見える化」を行う一方、オフラインの授業も重視し、年齢に関係ないクラス編成などで多様化を育むという取り組みも行っています。

米国では、AltSchoolで実践され、成功した手法を公立学校に適用していくことが期待されています。


2019年度教育産業の市場規模、2兆6,968億円との予測

矢野経済研究所によると、2018年度の教育産業全体の市場規模は、前年度比0.9%増の2兆6,794億円となりました。




前年度より市場規模が最も拡大した分野は、「学習塾・予備校市場」で、2017年度の9,690億円から、2018年度は9,720億円に。



少子化の進行により、学生や未就学児向け教育サービスを手掛ける事業者の多くは、厳しい事業環境にあります。なかでも教育産業の中核である学習塾・予備校では、学生層の縮小によって獲得競争が深刻化することから、今後も業界再編の進行が予想されています。

また、大手事業者は、幼児教育、英会話、情操教育、保育、学童保育、介護サービスに加え、需要が期待される在日外国人向けの教育サービス・就職支援サービスなどに投資し、事業領域の拡大を推進していくと見られています。

以上のような背景から、2019年度教育産業全体の市場規模は、2兆6,968億円を予測。少子化にも関わらず、一定の規模を維持していることがわかります。


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2020年教育制度改革で何が変わるのか?



今後21世紀の社会で活躍できる⼈材の育成を⽬指し、⽇本の教育改革が行われています。その2020年度以降のスケジュールを見てみましょう。

■改訂スケジュール

・2020年度
「新学習指導要領」小学校で全面実施
「大学入学共通テスト」実施

・2021年度
「新学習指導要領」中学校で全面実施

・2022年度
「新学習指導要領」高校で実施

・2024年度
「新学習指導要領」での入試初年度
「大学入学共通テスト」での情報Ⅰ(プログラミングや情報セキュリティー等を学ぶ新科目)の実施検討中


今回の教育改革のポイントは、「知識を活⽤する⼒を求める教育」を重視していること。「何を学ぶか」だけではなく、「何ができるようになるのか」が求められるようになります。

さらに、英語教育が強化され、「使える英語力」の習得を目指し、学習開始年齢の前倒し4技能(読む・話す・書く・聞く)取得が求められます。また、大学入試に関しても、学んだことの理解だけでなく、「知識の活⽤と学びに向かう⼒も評価する⼊試」へと、評価基準が変わります。


また、低所得世帯を対象にした高等教育の無償化も始まるなど、新たな教育改革に期待が高まるところですが、2020年度の大学入試について文部科学省は、「大学入試英語成績提供システム」・大学入学共通テストにおける記述式問題の導入の見送りを発表。

大学入試改革の仕切り直しに向けた課題が露呈される状況となっており、教育を巡る動きがさらに活発化しそうです。


教育業界の仕事。向いているのはこんな人



続いて、教育業界にはどのような仕事があるのか見てみましょう。大手教育サービス会社の例では、下記のような幅広い職種があります。

主な職種:
・担任、講師などの生徒マネジメント
・教材制作や模試制作といった教育コンテンツ開発・制作
・ITによる学習支援システム・データベースの開発・運用を行うシステム開発
・学校に自社の模試導入を提案する高校営業
・大学支援事業・リメディアル教育の提案をする大学営業
・映像授業、映像番組制作を行う映像コンテンツ制作
・書籍企画・編集、アプリ開発に携わる出版企画・編集 

また、求める人物像として、「日本の将来を担う人財を育成したい」という志を持っていること、成長意欲や行動力、チャレンジ精神がある人を挙げています。このような考え方に共感できる人が向いている業界と言えるでしょう。


教育業界の年収ランキング。トップは学研ホールディングス

次に、教育業界で働くうえで気になる年収について、各社の平均年収をトップ10ランキングで紹介します。


■2018年教育業界平均年収ランキング


出典: 教育業界 平均年収ランキング(2017-18年)-業界動向サーチ

トップは学研ホールディングスの913万円。第2位のベネッセとの差は10万円ですから、どちらも首位になりえる経営環境にありそうです。業界大手である両社はともに200万円以上の差をつけて、3位以下を大きく引き離す結果に。

教育業界の平均年収は522万円
と言われており、学研、ベネッセともにかなりの高水準であることがわかります。


テクノロジー×教育=?知っておくべき教育業界用語3選



EdTech
Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語。教育領域でテクノロジーを活用し、イノベーションを起こしていくものとして、世界でも大きな注目を集めている分野です。


アクティブ・ラーニング
教員による一方向的な講義形式の教育法ではなく、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称を指します。

体験学習やグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングと言われています。教育業界で最も注目されている学習方法の1つで、文部科学省も推進しています。


PISA
OECD(経済協力開発機構)による、国際的な学習到達度に関する調査である、Programme for International Student Assessmentの略称。各国の15歳児を対象に読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの三分野について、3年ごとに調査を実施。

2018年のPISAによると、日本は数学的リテラシー及び科学的リテラシーは引き続き世界トップレベルですが、読解力については平均より高いものの、前回比では平均得点及び順位が低下する結果となりました。


教育・学習環境を進化へ導く、EdTechを提供するスタートアップ

現在、EdTech領域で注目されているスタートアップの1つとして、atama plusが挙げられます。2017年4月の創業、一人ひとりに最適な「自分専用レッスン」を作成するタブレット型AI教材『atama+』を提供。

塾の生徒向け『atama+for student』は現在、Z会エデュースや駿台教育センターをはじめとする学習塾を通じて、全国の中学生・高校生に利用されています。アンケートでは9割以上の生徒が集中できた、効率的であったと答えており、飛躍的な成績向上の事例が多数上がっています。



出典: ティエラコムの個別指導がAI教材「atama+」を活用した「能開個別AIホロン」に一本化AIによるオーダーメイド教材と教育コーチによる人工知能型個別指導へ完全移行|atama plus株式会社のプレスリリース

atama plusを率いる代表取締役の稲田氏。東京大学大学院情報理工学系研究科在学中、東大アントレプレナー道場第1期優秀賞を受賞するなどの経歴を持ち、三井物産でのブラジル駐在や日本国内教育事業統括等を歴任した後、同社を設立しました。

また、教育・知育アプリ「おやこでスマほん」や「おやこでリズムえほん」など、親子で遊べる乳幼児や小さな子ども向けの教育・知育アプリを手がけるのが、スマートエデュケーション


近年は、同社のICTを活用した園児向け教育カリキュラム「こどもモードKitS」が注目されており、ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、AP通信などでも取り上げられました。スマートエデュケーションは、世界展開も積極的に進めています。

代表の池谷氏は、明治大学大学院理工学研究科修士課程修了。日本ヒューレットパッカードやサイバーエージェントグループ(シーエー・モバイル)を経て、2011年スマートエデュケーションを創業しました。


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教育業界に興味があるなら必ずおさえておきたいインターン情報

最後に、ベネッセ、学研グループ、栄光、ナガセ、早稲田アカデミーといった、就活生に人気が高い教育業界インターンシップ情報を紹介しま

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