東京急行電鉄株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事

東京急行電鉄株式会社を就職活動の観点から企業研究

東京では「東急」の名前で親しまれている鉄道会社で、鉄道事業を基盤とし、都市開発事業、生活サービス事業、ホテル・リゾート事業などを展開しています。これらコア事業の連携による相乗効果を発揮していることが強みであることで有名な鉄道業界の東京急行電鉄株式会社に関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。

下記４つのトピックに分けてご紹介します。

◆ TOPIC
• 国内は堅調に推移。海外鉄道産業は約24兆円の市場規模
• コア事業の連携でビジネスモデルを展開する鉄道会社
• 新たな事業価値を持続的に創造していく5つの戦略とは？
• 東京急行電鉄の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

国内は堅調に推移。海外鉄道産業は約24兆円の市場規模

近年、国内の旅客輸送量は横ばいで推移しています。一方、新造車両の生産は低減傾向にあるものの国内需要は比較的堅調ですが、今後の人口減少を考慮すると大幅な需要の増加は見込見難い状況と言えるでしょう。

■国内鉄道輸送人員の推移

出典： 経済産業省

また、同じ鉄道市場でも海外の鉄道産業に目を向けてみると、アジア、西欧、北米を中心に約24兆円規模の市場が存在（2019-2021年平均）し、2021年まで年率2.6%で成長する見通しとなっています。

■海外における鉄道産業の地域別市場規模推移

出典： 経済産業省

業態別に市場規模を見ると運行及び保守サービスの割合が大きく、車両等の輸出だけでなく、保守や運行も含めた 鉄道事業運営が求められる事例が増加しています。国内の鉄道会社は、海外における事業展開を促進し、世界の需要を積極的に取り込むことが重要になってくると見られています。さらにこれにより、事業投資機会の拡大はもちろん、日本の鉄道技術やノウハウの向上といった効果も期待できるでしょう。

コア事業の連携でビジネスモデルを展開する鉄道会社

沿線に、皆が憧れる街をつくり続けてきた東急電鉄。そのノウハウは、国境を越えて、ベトナムやタイ、オーストラリアにも持たされています。インフラをつくるだけではなく、交通網の整備や雇用創出など、持続的な発展をめざした街づくりが得意な同社ならではの海外展開と言えるでしょう。

今回は鉄道会社の中でも、年間利用者が約11億人という民間鉄道の中でトップの利用客数を誇る東京急行鉄道、通称「東急電鉄」を紹介していきます。

東急電鉄は鉄道会社として安全安心な鉄道事業を営むだけでなく、路線の周りにある街づくりも重要な事業として展開しています。むしろ同社では、東急電鉄を「鉄道事業を基盤とした街づくりの会社」と捉えています。

街が魅力的になれば暮らす人も訪れる人も増え、鉄道の利用者も増加していく。年間利用客数11億人を超える理由は、東急電鉄が街づくりに注力し成功させてきたことにあるのです。

例えば、渋谷の再開発で有名な「渋谷ヒカリエ」「渋谷キャスト」「渋谷ストリーム」「渋谷ブリッジ」のほか、商業施設・マンション・オフィスが複合する街づくりを行なった二子玉川では、「二子玉川ライズ」の運営やタウンマネジメントなど、さらなる価値の向上に取り組んでいます。

さらに、グループ各社と協力して「街なか」と「家ナカ」のそれぞれに幅広いサービスを提供。「街なか」では、百貨店やスーパー、フィットネスのほか、学童保育や保育園運営にも乗り出すなど、駅近の立地を活かした子育て支援をサービス化しています。

一方、「家ナカ」では、IoTを活用したスマートホームサービス「インテリジェントホーム」とホームセキュリティを組み合わせたサービス「東急スマートセキュリティ」、家庭向け電力・都市ガス提供サービス「東急でんき&ガス」、ホーム・コンビニエンスサービス「東急ベル」などのサービスを行っています。

以上のように東急電鉄は沿線を基盤とした3つのコア事業（交通事業、不動産事業、生活サービス事業）の相互連携により、相乗効果を発揮しながら、同社沿線の付加価値を高め、より高い収益性を実現しています。

■東急鉄道3つのコア事業による連携

出典： 東京急行鉄道

新たな事業価値を持続的に創造していく5つの戦略とは？

東急電鉄の中期３か年経営計画によると、スローガンは“Make the Sustainable Growth”。「街づくり」「企業づくり」「人づくり」の「３つのサステナブル」を基本方針に掲げ、持続的な成長を果たしていくといいます。

具体的には、まず、鉄道事業における「安全」「安心」「快適」のたゆまぬ追求。2つ目は、東急電鉄の象徴的な拠点である渋谷を、『世界のSHIBUYAヘ』とすること。渋谷スクランブルスクエアに代表される大規模再開発を推進・開業し、エリアブランディングを通じて、国内外を問わず多くの人が訪れたいと願う“エンタテインメントシティSHIBUYA”の実現を目指しています。

3つ目は、沿線価値・生活価値の螺旋的向上で、例えば、たまプラーザ駅周辺における、美しが丘を舞台に東急電鉄が横浜市と推進する「次世代郊外まちづくり」や、2019年秋の開業を予定している「南町田グランベリーパーク」。商業施設と公園、体験施設を誘致し、暮らしと遊びが近接した新しい田園都市の姿を提案しています。

4つ目は、戦略的アライアンスによる事業拡大。グループ内外のパートナーとの連携をこれまで以上に拡大し、海外や新たなビジネス分野の開拓を推進していきます。

そして最後は、ワークスタイル・イノベーションの進化。柔軟な働き方を採り入れながら発想を豊かにして、生産性を上げていく。今の時代に求められているワークスタイルを実践し、その取り組みを社会に発信していきたいと考え。

東急電鉄は2022年に創業100周年を迎え、そこから始まる新しい100年に向けた地盤固めの時期の今、挑戦の歩みを緩めることなく、基本姿勢はぶらさず、事業や組織をためらうことなくアップデートしていく東急電鉄。今後の事業展開が楽しみです。

東京急行電鉄の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

鉄道業界の東京急行電鉄株式会社は、東京では「東急」の名前で親しまれている鉄道会社で、鉄道事業を基盤とし、都市開発事業、生活サービ�