三菱マテリアル株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事

三菱グループの大手非鉄金属メーカーで、すべての事業で生産量・販売量ナンバーワンを誇るという強みを持つほか、総合素材メーカーならではの他社にないユニークな技術を有していることで有名な非鉄金属業界の三菱マテリアル株式会社に関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。

下記４つのトピックに分けてご紹介します。

◆ TOPIC
• 非鉄金属業界における、日本企業のグローバルプレゼンス強化に向けて
• 資源事業にルーツを持つ、国内トップクラスの総合素材メーカー
• 循環型社会に貢献するリーディングカンパニーの実現を目指して
• 三菱マテリアル株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

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みずほ銀行がまとめた「日本産業の中期見通し（非鉄金属）」によると、銅製錬事業における日本企業のグローバルプレゼンスは、内需の縮小と中国をはじめとする新興国の需要増・生産増の状況から、低下の一途をたどると見られています。

今後は、日本の各社がどの製品・事業でプレゼンスを見出していくのか、選択と集中をさらに進めて行くことが求められる状況にあると言います。多数の企業がいまだ製錬事業に参画しているのが現状で、今後の厳しい事業環境をふまえれば、銅資源や銅加工品など、各社が得意とする分野にさらにフォーカスすることが必要となっていくことでしょう。

■日系製錬企業のセグメント別利益構成比

出典： みずほ銀行

一方、アルミ圧延業界は、軽量化を望む自動車メーカー向けに質の高い製品の需要が本格 的に拡大していくという過渡期にあり、こうした製品を作ることができる限られた日米欧の先進国企業には大きな成長の機会が訪れています。

日系アルミ圧延企業には、自動車材を拡大してグローバルリーダーを目指すことが期待されており、大型の設備投資や買収が必要不可欠に。投資余力を確保した上で、アルミメジャー買収などの成長戦略が今後の選択肢の1つとなっていきそうです。

今回は非鉄金属業界のなかでもトップクラスの業績を誇る、三菱グループの大手非鉄金属メーカー、三菱マテリアルを紹介していきます。

三菱マテリアルの起源は、三菱の創始者･岩崎彌太郎が1871年に九十九(つくも)商会において炭鉱･金属鉱山事業を手がけたことにあり、資源事業やマイニングがルーツです。

素材、材料をイメージする“マテリアル”という社名ですが、同社は社会のニーズに応えて銅やセメントなどの基礎素材をはじめ、自動車や家電などに使われる機械部品や電子材料･部品、それらを作るために必要な道具(工具)も製造･販売する｢総合素材メーカー｣。

世界32ヵ国以上で事業を展開し、130社以上のグループ企業との連携でグローバルなインフラ・産業・イノベーションを支えています。

そんな三菱マテリアルの強みは「金属」「セメント」「加工」「電子材料」「環境・エネルギー」というすべての事業において技術・製品を保有する複合事業体であるとともに、すべての事業で生産量・販売量ナンバーワンを誇っていることです。

三菱マテリアルグループは、ものづくりを通じて世の中を豊かにするだけでなく、“ものづくりに欠かせない限りある資源をいかに有効に使い、かつ再生させるか”を考え、全ての事業でリサイクルを展開。地球の限られた資源を大切に利用するとともに、外部からの廃棄物・副産物を資源化しています。

そして、「人と社会と地球のために」という企業理念のもと、「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するリーディングカンパニー」をビジョンとしています。

■三菱マテリアルの循環型ビジネスモデル

出典： 三菱マテリアル

そんな三菱マテリアルは、企業理念やビジョンを具現化するため、「成長への変革」をテーマに掲げる中期経営戦略を2017年4月からスタート。創業から148年という長い歴史のなかで、さまざまな変化や困難に直面してきた同社ですが、懸命な努力とチャレンジ精神をもって乗り越えてきました。今後も同社の「成長への変革」に期待したいと思います。

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