丸紅の企業研究

今回ご紹介するのは、芙蓉グループの大手総合商社、丸紅。
この記事を読んでいる方の中には、丸紅への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。
ここでは、丸紅の経営理念や同じ商社業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある商社会社の中で、なぜ丸紅なのか？」という質問への対策を考えましょう。

丸紅について深く知るために、まずは丸紅の経営理念を確認しましょう。そこから丸紅が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

丸紅の経営理念は、以下の通り。
『丸紅は、社是「正・新・和」の精神に則り、公正明朗な企業活動を通じ、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指します。』（丸紅　経営理念ページより引用）

ここからわかるポイントは、「正義」「挑戦」「協力」「貢献」「誇り」の5点。
丸紅の社員として誠意と誇りを持って事業に挑み、経済・社会の発展に務める。また、地球環境の保全にも貢献する。このような人材を丸紅は求めているのです。
また、丸紅では求める人物像として「自ら課題を見つけ、主体的に考え、行動に移すことができる方」をあげています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
1.自分でどのような目標を持ち、どう考えてきたか
2.目標達成のために、どのような行動をしたか
3.目標達成のために、周囲とどのように協力してきたか
4.これまでの経験を活かして、どのように会社と社会に貢献できるか

次に、商社業界の中で丸紅と競合会社とを比較してみましょう。
商社の中でも、丸紅はさまざまな商品を取り扱う総合商社という位置づけです。同じ総合商社といえば、7大商社のうちの他の6つである 三菱商事、 三井物産、 伊藤忠商事、 住友商事、 双日、 豊田通商 が思い浮かぶはず。
これら他の総合商社と丸紅の違いはどこにあるのでしょうか。

まずは、事業内容を見てみましょう。
丸紅の2014年3月末の総資産のセグメント別内訳を見てみると、食料が19%、エネルギー・化学品が19%、金属が13%、機械が25%、生活産業が12%、海外が11％となっています。
一方、総合商社最大手である三菱商事の2012年度総資産におけるセグメント別内訳は、金属が32%、生活産業が21%、機械が15%、エネルギーが14%となっています。
ここから、丸紅は特定の分野に偏らないバランスの良い事業ポートフォリオを構築していることが分かります。 また、丸紅は海外電力事業や穀物の取扱いにおいて、国内トップとなっています。

次に、財務状況(連結)に着目してみます。
2016年3月期末の自己資本をみると、三菱商事が45,925億円、住友商事が22,515億円、三井物産が47,105億円、伊藤忠商事が21,936億円なのに対し、丸紅は13,170億円と自己資本が少ないことがわかります。今後、安定した経営を続けるためには、自己資本を向上させることが課題となるでしょう。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
総合商社はこれまで、資源価格の高騰により成長してきました。しかし、中国の景気動向の落ち込みの影響などのため、2016年3月期に丸紅では1,200億円の減損損失を出すなど収益に影響が出ています。資源分野は、海外の景気動向に左右されやすい非常に不透明な分野だといえます。したがって、2016年3月期に最終利益額トップに躍り出た伊藤忠商事のように今後、資源以外の分野において事業を拡大していくことが、丸紅にとって重要となるでしょう。

ここまで丸紅についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考フロー