カゴメの企業研究

今回ご紹介するのは、トマト加工品国内最大手として人気の高い食品メーカーのカゴメ。

この記事を読んでいる方の中には、カゴメへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、カゴメの経営理念や同じ食品業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある食品会社の中で、なぜカゴメなのか？」という質問への対策を考えましょう。


カゴメについて深く知るために、まずはカゴメの経営理念を確認しましょう。そこからカゴメが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

カゴメの企業理念は、以下の通り。
『「感謝」私たちは、自然の恵みと多くの人々との出会いに感謝し、自然生態系と人間性を尊重します。
「自然」私たちは、自然の恵みを活かして、時代に先がけた深みのある価値を創造し、お客様の健康に貢献します。
「開かれた企業」私たちは、おたがいの個性・能力を認め合い、公正・透明な企業活動につとめ開かれた企業を目指します』（カゴメ企業理念ページより引用）

ここから分かるポイントは、「感謝」「自然」「創造」「貢献」「透明性」の5点。
カゴメの社員として自然や周りの人々を大切にし、誠実に、開かれた活動を行う。自然を活かした商品を創り、人々の健康づくりに貢献する。こうした大きなビジョンを持った人材を、カゴメは求めているのです。
またカゴメは、自社の採用ページで「自律性が高く、常に問題意識を持ち、課題形成・解決していける人は大歓迎です」と述べています。

ですから、企業理念に共感したうえで、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
・どのような目標を持ち、それに対してどのような行動を起こしたか
・どのような問題意識を持ち、それをどう解決したか
・目標達成のために、周囲とどのような関係を築いたか
・これまでの経験が、カゴメで働くため且つ社会のためにどのように役立つか


次に、食品業界の中でカゴメと競合会社とを比較してみましょう。
カゴメは、トマト加工食品において国内最大の企業です。平成27年12月期の事業セグメント別売上及び売上構成比を見てみると、トップは飲料事業が744億2,500万円（約38%）、次いで業務用事業が260億8,600万円（約13%）、食品事業が233億3,200万円（約12%）と続き、飲料事業が売り上げの中でも高い割合を占めていることが分かります。

カゴメの競合会社といえば、伊藤園があげられます。
では、カゴメと伊藤園は、どのような点が違うのでしょうか。
まずは、事業内容を見てみましょう。伊藤園は飲料業界の大手で、緑茶・茶葉飲料での売上で首位を誇っています。伊藤園単体決算の状況を見ると2016年4月期3,652億7,600万円のうち緑茶飲料を中心とした日本茶飲料が売上の約50%、野菜飲料が約12%、「TULLY’S COFFEE」ブランドなどを活用した缶コーヒーが約11%となっています。
一方、カゴメの飲料ラインナップを見てみると、野菜・果実飲料と乳酸菌飲料が並んでいます。
以上のことから、伊藤園の飲料売上の主軸は茶、カゴメの飲料売上の主軸は野菜飲料ということが読み取れます。

次に、2016年8月1日〜7日の果実飲料売上ランキングを見てみると、トップ20にカゴメ製品は6つで果実飲料市場の金額シェア合計8.49%、伊藤園製品は3つで金額シェア3.66%となっています。時期的な変動があるものの、上位製品は通年販売されている製品であることも踏まえると現状では野菜・果実飲料分野ではカゴメに軍配があがるといえるでしょう。

しかし、この2社の飲料事業を比較する際には上記のように競合する製品群の比較をすると同時に主軸となる事業や、今後より拡大が見込まれる事業も同時に目を向けることも大切です。
直接競合する分野が、それぞれの事業においてどういう位置付けなのかを理解した上で、俯瞰した分析を心がけましょう。



また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
飲料業界では、量販店などの安売りの影響を大きく受け業績は伸び悩んでいます。そうした事態を受けて同業のM&Aによる市場の寡占化が進んでいます。

また、商品開発の面では健康志向の高まりにより、野菜飲料やお茶、特定保健用食品飲料の売上が好調となっています。こうした消費者の意向を受け、各社とも健康志向を意識した商品の販売に力を入れる傾向があります。
しかし、少子高齢化や海外飲料会社の参入、PB商品の増加により、飲料業界の競争は今後ますます激しさを増すことが予想されます。

カゴメの場合は以上の状況はもちろんのこと、飲料の売上比率が高いとはいえトマト加工品を主軸とする企業でるという点も踏まえて、飲料業界のトレンド以外の独自の動きを見せる可能性があることを考慮しておくことが重要です。

ここまでカゴメについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考