スズキの企業研究

今回ご紹介するのは、軽自動車で有名な自動車メーカーのスズキ。
この記事を読んでいる方の中には、スズキへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは経営理念や同じ自動車業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある自動車会社の中で、なぜスズキなのか？」という質問への対策を考えましょう。


スズキについて深く知るために、まずはスズキの経営理念を確認しましょう。そこからスズキが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

『一、消費者の立場になって価値ある製品を作ろう　二、協力一致清新な会社を建設しよう　三、自己の向上につとめ常に意欲的に前進しよう』
（出典： スズキ「社是」 ）

ここから分かるポイントは、「価値ある製品」の1点。
スズキは、社是とともに「価値ある製品を」をモットーに制定し、創業以来この言葉を物づくりの根底においています。目指すのは、人々の暮らしに役立つ製品を「創造」し、心を満たす「価値」を創り出すこと。真の価値ある製品づくりに、技術と真心をもって挑み続けており、これに共感できる人材を求めています。

ですから、経営理念に共感した上でみなさんがアピールすべきことは、以下の3点です。
・学生時代に最も頑張ったこと、そこから得たもの
・困難や失敗を乗り越え達成したこと、その克服方法
・自らの考えで行動し、自らの意思で成し遂げ、周囲を驚かせた経験

次に、自動車業界の中でスズキと競合会社とを比較してみましょう。
今回は、スズキと二輪車で世界首位の本田技研工業（ホンダ）を比較していきます。

まず、それぞれの事業内容を見ていきましょう。
スズキは主に四輪車、二輪車、電動車いす、マリン等の特機を手掛け、中核の四輪車では軽自動車や小型車に特化した開発・販売を行っています。近年ではアジアや欧州、北米等の海外展開も加速させ、中でも圧倒的なシェアを持つのがインド市場。インド国内ではおよそ2台に1台がスズキの車というほど、他社が到底及ばない50％以上のシェアを誇っています。
対してホンダが主に手掛けるのは、四輪車、二輪車の他、発電機や除雪機といった汎用製品等。さらにロボット技術や航空機エンジン開発も手掛け、四輪車では高いエンジン開発技術に定評があります。海外でのシェアは主に二輪車が占め、アジアや欧州、北米、南米等において、約1,700万台という累計台数を誇っています（平成27年現在）。

さらに、それぞれの財務状況を見ていきましょう。
スズキの過去の売上高推移は、平成24年度から年を追うごとに増加傾向にあります。利益に関しては平成26年に減少しますが、平成27年には再び増加に転じています。平成28年3月期の業績は、売上高が連結3,180,659百万円（前年比＋5.5％）、営業利益が連結195,308百万円（前年比＋8.9％）。国内では軽自動車税の増税やOEM売上減少の影響により伸び悩んだものの、海外事業におけるインドでの四輪車が好調となり、売上高、利益ともに増加を記録しています。
対するホンダの過去の売上高推移は、スズキと同じく平成24年から増加傾向となっていますが、利益は平成26年をピークに減少傾向となっています。平成28年3月期の業績は、売上高は連結14,601,151百万円（前年比＋9.6％）、営業利益は連結503,376百万円（前年比△24.9％）。四輪事業や金融サービス事業の売上収益が増加したものの、販売費・管理費の増加や為替の影響により減益となっています。

最後に、近年の業界のトレンドも見ておきましょう。
平成25～26年の自動車業界売上高は、60兆3,720億円、経常利益は4兆9,383億円となり、過去5年の伸び率を＋4.8％としています（対象企業10社合計）。近年の業界は平成20年の金融危機による低迷から脱し、平成24年頃から国内経済の回復基調に伴い増加傾向。しかしながら、日本国内での消費は依然として行先が不透明な状況であり、各企業は海外事業に注力する傾向にあります。今後もインドやロシア、アジア諸国で長期的な成長が見込まれているため、業界内での海外展開が加速する見通しとなっています。

また、スズキの競合他社としては、トヨタ自動車、本田技研工業、三菱自動車工業、ダイハツ工業、日産 が挙げられます。

ここまでスズキ株式会社についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。